香り、味、お湯を注ぐ音。お茶づくし滞在で究極の癒やしステイ
元々、コーヒーよりお茶派の私。静岡にある「界 遠州」では、名産である新茶が楽しめるお茶三昧の滞在プランがあると知り、早速伺ってきました。その名も、「静岡新茶侘び茶日滞在」。五感がフルにリラックスし、お茶好きにはたまらないお茶づくし体験をレポートします。
お茶の香りに誘われ非日常がはじまる
東京から新幹線で1時間半。浜松駅からバスで約50分のところに位置するのが、界 遠州です。黒の石壁と木の温もりが和の雰囲気を醸し出すシックな外観。
エントランスを入ると、お茶の芳しい香りが。館内には廊下、客室をはじめ、様々なところに茶香炉が配されていて、滞在中はお茶の香りに包まれて過ごすことができます。
お部屋も極上の煎茶空間
今回のプランで宿泊する客室は、広々とした「遠州つむぎの間 茶処リビング付き客室」。クッションや寝具の一部などお部屋の設えは、地元の伝統工芸品の織物、遠州綿紬などを使用。柔らかなグリーンが基調で、心安らぎます。
そして、お部屋には、到着後から夕食まで、夕食後から就寝まで、起床後から出発まで、3種類のシーンに合わせたお茶が用意されています。プラン限定で、お茶はすべて新茶。茶器の種類も全部違っていて可愛い!
こちらもプラン限定、水出し新茶が冷蔵庫に用意してあります。スッキリとした奥深い味わいで、今の季節にピッタリ。
アメニティもお茶カラー。スキンケアアイテムは、和漢を使用したオリジナルのものも。デリケート肌の方でも安心して使用できる処方です。プレゼントでいただける風呂敷にお着替えなどを包んで温泉へ。
滞在中は、いつでも美味しいお茶が飲み放題
感激したのが、ロビー階にあるトラベルライブラリーのティースタンド。2種類の味の水出し茶をいつでも楽しめます。
ずらっと並ぶ、茶葉の数々も圧巻。それぞれの葉の特徴やお湯の最適温度などが記載してあるティーカード付きで、好きなお茶を自分で淹れていただけます。
ライブラリーにあるお茶に関する本を読みながら、好きなお茶を飲んでゆったりとくつろぐ優雅なひととき。
「美肌温泉」でもお茶効果を満喫
左に茶畑を眺めながら温泉に進む道には、伝統工芸品、遠州綿紬のタープが。初夏の風に揺れる布が美しい。
ここのお湯は舘山寺温泉のもので、泉質は日本でも有数の塩分濃度の高い温泉。美容、健康にも良いとされ、湯治の場所としても知られています。温泉手前にあるギャラリーでは、「うるはし現代湯治」として、効果的な温泉の入り方をキュートなイラスト入りで展示。
なんと、大きな桶型の露天風呂にはお茶が入ったお茶玉が浮いています。ふんわりとお茶香るお湯に浸かると、日頃のストレスが完全にほどけていくよう。
入浴前、入浴後の水分補給として3種類のお茶ほか、疲労回復効果のある黒酢や黒糖入りの生姜湯、またアイスキャンディーも自由にいただけます。
温泉後のお楽しみはお部屋でのマッサージ(事前予約制)。国家資格を持ったハイレベルな施術者の方が、指圧で全身のコリをほぐしてくれます。終了後、そのまま眠れるのが至福。
和会席に合わせたティーペアリングコース
お夕食は、会席料理に合わせて、お茶を楽しむペアリングコースをいただきました。鰻を使用した前菜や、海の幸、山の幸とともにお料理にぴったりのお茶が。お料理と様々な煎茶のマリアージュが新鮮!
食後のデザートは、絶品、「界 遠州特製緑茶あんみつ」 。これに合わせた、最高級のお茶・両河内やぶきた「高嶺の香」の氷出しが美味しくて美味しくて。まるで出汁のように旨みが凝縮していて、忘れられない味となりました。
お楽しみの朝食は、郷土料理が色々と味わえる和食。お魚と小鉢が入っているのは、古くから、茶葉の保管用に使われた「茶箱」。たっぷりのアサリとあおさが入った浜名湖汁も絶品でした!
お茶の魅力をさらに知るアクティビティ
朝は、茶の木とツツジの「つむぎ茶畑」で体操。茶摘みをイメージした動きを交えたオリジナルのストレッチが楽しく、清々しい空気をたくさん吸って活力が湧きます。
今回のプランの目玉でもあるのが、静岡新茶合組体験。合組とは、産地や蒸し具合などが異なる茶葉を組み合わせること。
用意された新茶の中から、好きな香りのものを選んでブレンドします。私は豆のような香りと表されるサエアカリ、旨みの強いヤブキタをセレクト。
最後にブレンドしたお茶を試飲。ふくよかな香りととろりとした甘みで大満足。用意していただいた季節の和菓子(今回は紫陽花)と一緒に美味しくいただきました。ブレンドした茶葉はお土産で持ち帰ることができます。
宿泊者全員が無料で参加できるご当地楽「美茶楽」(チェックイン日の15時〜 全6回開催)では、お茶の正しい淹れ方をレクチャーしてもらえるほか、お茶の飲み比べで種類を当てる飲み比べゲーム「利き茶」も楽しめました。
お茶の香り、お茶を注ぐお湯の音、それぞれ違う色、淹れる水の温度、種類によって全く違う味…。まさに五感がフルに働くお茶の世界。身体と心がリフレッシュ&リラックスされるだけでなく、今回の旅で日本茶の魅力に触れ、さらにお茶について知りたいと思いました。
静岡県浜松市西区舘山寺町399-1
美容・恋愛ライター、美食レシピ研究家。女性誌を中心にライターとして約20年活動。恋愛、美容、食、健康、結婚、出産など女性のライフスタイルに寄り添ったコラム執筆ほかセミナーを随時開催しています。料理家としても活動しておりアンチエイジングを目的とした料理を中心にレシピつきレストラン「Mitsue’s Kitchen」をオープン。
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