元トップアスリート4名から学ぶ!生理の不調との上手な付き合い方
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2023.04.07

元トップアスリート4名から学ぶ!生理の不調との上手な付き合い方

HEROs LAB

女性の生理はPMSや生理痛、イライラなど体調やコンディションに大きく影響を及ぼしますよね。まだまだ生理時の不調を我慢している人も多く、話づらい内容として自分だけで抱えている人もいるかもしれません。

今回はそんな女性の生理について、オリンピックや国際大会などでご活躍されていた元トップアスリートによるトークセッションが開催されました。自分自身の体としっかり向き合っているアスリートだからこその視点や経験で、女性の生理と上手に付き合っていくヒントを教えてくれました。

自分自身の身体と向き合うきっかけにしてほしい

 アスリートと共に社会課題解決の輪を広げていくことを目的とした日本財団の「HEROs~Sportsmanship for the future~」プロジェクトでは、アスリートが学校を訪れ、 生徒たちの社会課題に対する意識の向上と、社会課題解決のためのアクションのきっかけを作る『HEROs LAB』を実施しています。

今回はそのプロジェクトの一つとして一般社団法人、「Woman’s ways」代表の潮田玲子さん(元バドミントン日本代表)と、中川真依さん(元飛び込み日本代表)、杉山愛さん(元テニス日本代表)、さらに賛同アスリートの登坂絵莉さん(元レスリング日本代表)が横浜女学院中学校高等学校を訪れました。当日は須永美歌子さん(日本体育大学児童スポーツ教育学部教授)による生理の仕組みの解説もあり、改めて勉強になりました。

アスリートは大会当日に向けてコンディションを整えることは当たり前のことにも関わらず、現役当時は女性の生理という部分は皆さん知識不足だったと言います。どうしてもっと自分の身体と向き合って大切にできなかったのだろうかと現役生活を振り返って悔いが残っている女性アスリートも多いそう。

アスリートだからこそしっかり管理されているイメージを持ちますが、意外にも違うという点は驚きの事実。でもこれは一般女性にも当てはまりますよね。そのため、この活動を通して自分自身の身体と向き合うきっかけになったらいいと、活動の場を広げています。

自分自身と向き合う上で、月経についての周期だけでなく、月経中の不調がいつなのか、調子がいいのはいつなのかを把握することがポイント。さらに不調な時にどのような症状があるのか、お腹が痛いといった身体的な部分だけでなく、イライラするなどの感情の波を含めた細かい部分もしっかり見ることが大切だそうです。

なかなか話題にしづらい生理について、周りと話すことも重要ということで、当日は学生同士でのグループディスカッションが行われ、登壇者も生徒にまざって交流を持ちました。

トップアスリートの現役時代の生理のトラブル

左から潮田玲子さん、登坂絵莉さん、中川真依さん、杉山愛さん

元レスリング日本代表の登坂さんは現役時代、1年半もの間、無月経だったそうです。「婦人科で検査しても異常がなく、オリンピックが終わって実家に戻った日に生理がきたので、ストレスが原因だったと思います」と当時の経験を教えてくれました。

元飛び込み日本代表の中川さんは「現役中は月に2~3回、少量で生理がくることもあったのですが、婦人科にも行かず、そのまま過ごしていました。ストレスやプレッシャーが原因だったと思います。今となっては通常の周期に戻ったのですが、当時、しっかり婦人科にみてもらえばよかったなと思います」と、少しでも不調を感じたら婦人科に行くことをおすすめしていました。

お二人のエピソードからストレスや感情が女性にとって大きく身体に影響を及ぼすことがわかりますよね。

元テニス日本代表の杉山さんは「現役当時、生理前はイライラしてしまって気持ちのコントロールができていないと感じていました。生理の初期はパフォーマンスとしても自分の真の力が発揮できないものの、”しょうがない、生理だから”と受け止めることで、その中でベストをつくそうと気持ちが少し楽になりました。生理後すぐは身体も気持ちも調子が良くて成績もよかったです」と生理の不調を受け止めて、その中でベストを尽くすようにしていた経験を教えてくれました。

元バドミントン日本代表の潮田さんも「現役時代はPMSなど知らずにイライラしていて、怒りっぽい日もありました。それが今となってはPMSという知識があるので、生理だからしょうがない、ホルモンバランスのせいだと、その不調を受け止める柔らかさが備わり丸くなりました。今は気持ちの切り替えも上手になったので知識は大事だと思います」と当時のエピソードを教えてくれました。

社会で働く女性や家庭で忙しい女性も、生理による気分の浮き沈みや身体の調子を把握して、不調があっても自分を責めずに受け入れることも大切ですね。

ピルについてもしっかり知識をつけて飲んでほしい

中川さんは現役時代のピルについて次のように話します。「現役時代、大事な試合前にいつもは感じない月経痛に襲われ、鎮痛剤を飲んで挑んだことがありました。このようなトラブルを防ぎたいと、その後のオリンピックに向けての練習期間にピルを処方してもらったものの、そのピルが身体に合わずにずっとPMSのような状態が続くようになってしまいました。むくみや筋力低下にも繋がり、飛び込みの衝撃で首の捻挫などケガが続く中、あと数ヶ月でオリンピックなのに!と、コンディションが最低の状況に。その後、トレーナーさんにピルをやめるように言われてやめたものの、試合に間に合わせるのが大変でした。ピルについてもう少し知識があれば、このような状況にならなかったと思います。今はピルの種類も豊富なので自分に合うものを探して、身体に合うのなら続けるのがいいと思います。その点も自分の身体と向き合うのは大切ですね」とピルについてもしっかり知識をつけて飲んでほしいとアドバイスをくれました。PMSの改善含めて、ピルが気になる方もいるかと思うので、余裕がある時に試すのもいいかもしれません。

体重の増減が少ないよう、現役時代から超低容量ピルを処方してもらっていたという登坂さんは、ピルが身体に合ったようでとても助けられたと言います。

杉山さんは現役当時、競技のパフォーマンスに影響しないようにピルは飲まないほうがいいと言われて、飲まないようにしていたものの、今ではセカンドオピニオンを求めてもよかったのかなと思いっていると話していました。

このようにピルに対しても考えや副作用の個人差もあるので婦人科に相談しながら、自分の身体をしっかり見ることが大切です。

不調の伝え方、対処法

杉山さんはつわりが酷かった時に旦那さんから「1~10で言ったらどれくらいのつらさ?」と聞かれ、数字で伝えていた方法が生理のコンディションを周りの人に伝えるのにも活用できると教えてくれました。コンディションがいい時を1とし、1や2の時は旦那さんと一緒にお茶をしに行くなど外出も楽しめたそう。逆に7や8の時は旦那さんも杉山さんが家でゆっくりできるようにと気遣ってくれたそうです。数字を使うことで生理がない男性にも体調の変化が伝わりやすいので、おすすめと杉山さんは言います。

自分がどうしたら心地よく過ごせるかは自分次第でもあるので、我慢せずに上手に伝えることも大切ですね。

登坂さんは生理痛が酷く本当に痛くなってからでは鎮痛剤が効かないので、先生がアドバイスしてくれた通りに早めの段階で飲むようになってから楽になったと言っていました。

潮田さんは「自分に合う生理用品を試してみるのがいいと思います。私は月経カップを使用しています。その他は吸収ショーツなどを使用していて、ナプキンはほとんど使用していません。月経カップは抵抗がある人が多いと思うのですが常識に囚われずに、挑戦してみることをおすすめします。私は娘がいるんですが、大きくなった時、子供の生理時の選択肢を広げてあげるためには、自分が経験することも大切だと思っています」と自分自身や自分の子供が快適に過ごせるためにも、選択肢を広げることをおすすめしていました。

学生さんたちも知らなかったことが多くて、とても参考になったと言います。男性にも言いにくい部分もあったけれど、伝えることが大切ということもわかったと感想を述べていて、これから生理についても理解が深まり、この活動が女性が過ごしやすい社会にも繋がりそうです。

私たちも固定観念を捨てて、自分にあった生理用品を試したり、我慢せずに不調を受け止めて、上手に伝えていくことが大切ですね。

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