2023.02.21
毎朝5分で巡る体に!アーユルヴェーダ式・心地よく生きる暮らしのレシピ
UMISORA+
心も体も健やかにイキイキと過ごしたい。そのためにできることをスタートさせてみませんか。2023年もまだまだ前半の今こそ、生活習慣を見直すタイミングです。
今回は鎌倉の七里ヶ浜でアーユルヴェーダセラピストとして活躍する品川陽子さんに、アーユルヴェーダ流・生活のヒント、セルフケアについてお聞きしました。
アーユルヴェーダとは
日本ではエステやマッサージと同様、リラクゼーションという位置づけのアーユルヴェーダですが、発祥の地・スリランカでは5,000年の歴史を持つ伝統医学のひとつとして人々の生活に根付いています。
スリランカの医療としてのアーユルヴェーダでは、国家資格を持つ医師による問診を経て、その人の現状に合った治療や食事法などの提案を受けます。
どのような不調も、もともとの体質や食生活など人により原因は様々。アーユルヴェーダは一人ひとりに向き合い改善策を導き出す、オーダーメイドの医療ともいえるのです。
鎌倉・七里ヶ浜に構えるサロン「UMISORA+」
本場スリランカでアーユルヴェーダを学び、セラピストとしてだけでなくライフコーチ、日本アーユルヴェーダ伝統医療協会で講師として活躍している品川陽子さん。
「UMISORA+(ウミソラ プラス)」は、そんな彼女が運営するサロンです。
陽子さんは、本場スリランカでアーユルヴェーダを学んだ経験から、スリランカを感じながらゆったりと施術を受けてもらいたいと、同じ自然の豊かな湘南の町でサロンを運営されています。
インテリアから漂う香りにいたるまで、まるでスリランカを思わせるボタニカルな空間。にこにこ笑顔の陽子さんに迎えられるサロンでは、初めてでもとてもゆったりと寛げてしまうから不思議です。
自分でできる!より健やかに生きるレシピ「ディナチャリア」
今回注目したいのはアーユルヴェーダのセルフケア「ディナチャリア」。メリットは1人で、しかも好きな時にできるということです。
そして続けるほどに体質が改善されていくため、自然と続けたくなります。
日本語で「日常生活法」と訳されるディナチャリア。これはより幸せに、そして健やかに生きるためのレシピなのです。
これらの方法(習慣)を取り入れることで、アーユルヴェーダの考えの基本である3つの生命エネルギー、ヴァ―タ(風)・ピッタ(火)・カファ(水)のドーシャ(濁り)が整うため気が巡ります。すると血液が浄化され代謝もアップ、体の内側はもちろん心までクリアになるというおまけつきです。
マスク生活の弊害にも
マスクをつける機会が多い今こそ、特におすすめしたいディナチャリア。
「カウンセリングをしていて、今特に感じるのは、体内の循環が十分でない人が多いということ。長引くマスク着用により呼吸が慢性的に浅くなっているので」と陽子さん。
循環が滞っている、十分でないかどうかの目安はこちらをチェックしてみてください。
- ・冷えている
- ・肩こり
- ・便秘
- ・閉塞感、落ち込み、不安
ディナチャリアを取り入れると、これらの不調は改善される可能性が高いそうです。
朝のディナチャリア
ディナチャリアには一日を通して、その時間帯ごとにすることがたくさんあります。
とはいえ、すべてを完璧に取り入れるというのは難しいですよね。その場合は一日のスタートである朝のディナチャリアの中から、まずひとつ試してみましょう。
【朝のディナチャリア】
- エネルギーの高い時間帯、日の出前(ブラフマムフルタ)に起床
- 窓を開け太陽のエネルギーを入れる・空気を入れ替える
- 排泄
- 舌ごけをチェック、軽く取る
- うがい、またはオイルプリング
- お白湯を作り、飲む
- 瞑想・呼吸法
これらの中から、いくつかを掘り下げて紹介します。
「オイルプリング」
海外のモデルやセレブが行い、有名になったこともあるオイルプリング。こちらも実はアーユルヴェーダが発祥のセルフケアのひとつなのです。
オイルプリングのタイミングは、朝起きて軽く舌ごけを取ったあと。
セサミオイルをスプーン数杯分、口に含んで5分以上保ちます。この時、口のなかで舌を使ってオイルを転がすようにすると、普段使っていない筋力を使うことになりほうれい線予防にも! 終わったら排水口へ流さず、ティッシュなどに吐き出して処分しましょう。
オイルプリングをしている間に、お白湯を作るとスムーズです。
陽子さんのおすすめはアーユルヴェーダの施術でも使われている、本場スリランカの有機ブラックセサミオイルですが、もちろん手軽にはじめたい人は太白ごま油でも代用可能です。
ちなみに私も、こちらの有機ブラックセサミオイルを愛用していて、サラサラしていて口に入れてもクセがなく、なによりオーガニックのブラックセサミという希少性に惚れ込んでリピートしています。
「お白湯を作って飲む」
すでに白湯を暮らしに取り入れている人も、アーユルヴェーダの習慣だとは意外と知られていないかもしれません。
作り方は簡単。やかんに水を入れ、火をかけ、換気扇をつけて風を送りながら5分ほどグツグツと煮ます。古代のやり方では、鉄瓶で10分火にかけるのですが、まずはできる方法からで大丈夫! 作ったら、時間をかけてちびちびと飲みましょう。
こうすることで水・火・風のアーユルヴェーダの要とされる3つの生命エネルギー(トリド/3ドーシャ)を取りこむことができるのです。
陽子さんのゲストでお白湯を1ヶ月続けたことで、なんと1.5キロも痩せた人、便秘が解消した人、肌がキレイになった人などがいるとのこと。お白湯効果はかなり期待できそうですね。
また「カウンセリングをしていて水分を摂っていない人が多いと感じています。体の浄化につながるので一日1.5リットルのカフェインフリーの水分(水)、できればお白湯を飲むのが理想的」と陽子さん。
また、朝は時間がないという人は、前夜にお白湯を作ってポットなどで保温してくという手も。朝起きてすぐお白湯が飲めますし、たっぷり作ってあるため、一日を通してお白湯を飲むことができます。
その際に、飲みなれていない人にはショウガひとかけや、カルダモン、コリアンダーシードを一粒入れて煮込むことで、飲みやすくなるので試してみて。
「瞑想・呼吸法」
瞑想や呼吸法は、本来の自分に戻るためのサポートになります。
でも瞑想はなかなかハードルが高いもの。「瞑想中には、どうしても雑念が湧きやすいですよね。サロンでは呼吸法と組み合わせた瞑想を取り入れています」。
具体的な方法としては「最初に、体内に残っている息を全部吐き切ること。そして吸う時は力をふっと緩めるだけで大丈夫です。4秒吸って4秒吐くという、4.4法をおすすめしています。その時、鼻から吸って口から吐くことを忘れずに」。
ポイントは同じ秒数で吸って吐くこと。そして秒数を意識することで、雑念が浮かばないのだそうです。
慣れてきたら2秒吸って6秒吐く、2.6法にもトライしてみましょう!
この瞑想・呼吸法を取り入れると、体内の代謝がよくなり体がポカポカするというメリットも。今はマスク社会で呼吸が浅い人も多いため、呼吸法はぜひ取り入れてもらいたい習慣です。
「オイルトリートメント」
オイルを使ったマッサージもディナチャリアのひとつ。
自分でするのもいいですが、UMISORAのようなサロンを訪れてプロの手から受けるマッサージは格別ですよ。
「定期的に通う方は、変化が見えやすいですね。目安は一ヶ月に一度、生理前、季節の変わり目がおすすめ。特に春は解毒の季節、体内の毒素を出しやすい時期なので相乗効果が期待できます」と陽子さん。
ディナチャリアは毎日、加えて定期的に施術を受けるとさらに効果はアップするようです。
幸せに生きるために
「ディナチャリアは日常的にできることを取り入れ、なりたい自分になるためのヒントです。症状があるのは、自分の中のバランスが取れていないということ。ドーシャを『調え』、不調を調整することで、本来の自分を取り戻すことにもなるのです」。
アーユルヴェーダのゴールは、健康になることではなく「幸せに生きること」。「そのために健康は大前提なんです」と陽子さんは教えてくれました。
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家で自分ひとりではじめられるアーユルヴェーダ、ディナチャリア。
毎朝たった5分でも、続けることで内側から循環する体に近づくことができます。気になった方はまずひとつからでもいいので、取り入れてみてはいかがでしょうか。
陽子さんのイキイキとした穏やかなあり方に、私も新しいディナチャリアにチャレンジしたくなりました。
旅するように暮らす自然派ライター/オーガニック料理ソムリエ。
4年に渡る世界一周後、オーストラリアに移住し約7年暮らす。コーヒー好きが高じてオーストラリアではバリスタ業の経験も。今は繊細でフルーティーな浅煎りコーヒーに夢中です。ライターとしては旅行誌の広告制作を経て、雑誌広告や編集ページを主に執筆。現在は自然に沿った生き方、ほどほど丁寧な暮らしを自ら実践しながら発信中。地球にも体にも優しい生き方のヒントをお届けしていきます。
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