2023.01.02
新年から始める香りのある暮らし。冬におすすめの精油4選も
yaetoco FLORIHANA ease NEAL'S YARD REMEDIES
新年を迎え、新しい習慣や趣味を探している人は多いかもしれません。そんな方にぜひおすすめしたいのがエッセンシャルオイルです。日常に取り入れると暮らしが豊かになるだけでなく、植物の力で心も体も健やかに保つサポートになるなど、いいこと尽くめです。
今回は、アロマテラピー検定一級を取得している自然派ライターが、おすすめの精油や使い方を紹介します。
エッセンシャルオイルとは
エッセンシャルオイル(精油)とは、植物の花や果皮、樹脂などの香り成分をそれぞれに合った抽出方法で引き出したエッセンスのこと。天然100%のピュアなオイルには、植物の生命力が詰まっています。
一方、よく耳にするアロマオイルは合成香料を加え、アルコールや鉱物油で希釈したもの。香りや植物の持つ効能の強さなどの違いがありますが、ラベルや値段で簡単に見分けることができます。
ラベルに「エッセンシャルオイル/精油」、「原産地」、「栽培法」、「抽出方法」、「原材料」の表示があるかが見分ける際の決め手に。またアロマオイルより純度の高いエッセンシャルオイルが、さらに植物の希少性、抽出に手間がかかる、オーガニックといったオイルは値段が高めです。
簡単な取り入れ方
家にあるもので、手軽に香りを楽しむ方法を紹介します。
化粧用のコットンやハンカチに1~2滴垂らし、漂う香りを楽しむ「芳香浴法」は、仕事中や入眠時に使うことで集中力や睡眠の質を高めてくれます。ただしオイルを布に垂らすとシミになりやすいため、古いハンカチなどを使って。
また、マグカップや洗面器などの耐熱容器も便利。熱湯を半分ほど注ぎ、精油を1~2滴入れ、湯気とともに香りを楽しむ「拡散法」。さらに目を閉じて蒸気を吸う「吸入法」や頭からタオルをかぶって蒸気を顔に当てる「フェイシャルスチーム」などさまざまな楽しみ方があります。
お湯にエッセンシャルオイルを加えた入浴や、体の一部を浸ける「沐浴法」も。
精油はお湯に溶けにくいため少量の天然塩や、「キャリアオイル」といったホホバ油・マカダミアナッツ油などの植物油に混ぜてから使います。精油の量は全身浴だと5滴まで、半身浴や足や手などの部分浴は3滴までを目安に。
好きな精油を垂らして使うアロマストーンや、香りを大きく拡散するアロマディフューザーなど、アイテムを活用する方法もあります。
柚子(ゆず)
冬至の柚子湯でもおなじみの柚子は、体を温めることで知られています。血管を広げて血行を促すことで、冷えの改善や風邪予防にも効果が期待できます。また気持ちを落ち着ける作用もあり、心地よい眠りへ誘ってくれます。
そのような効果のため昔から柚子は食用だけでなく、生活の知恵としても人々の暮らしに溶け込み親しまれてきたのですね。
・yaetoco「ゆず」
Yaetocoの「ゆず」は、できる限り農薬に頼らない栽培方法で育てた無茶々園の柚子を搾汁した後に果皮を切り分け、水蒸気蒸留法で抽出したエッセンシャルオイル。
青果として出荷できない規格外の柚子。それらは搾汁後に加工されますが、残った果皮も活用したいと生まれた商品です。Yaetocoは、畑でできたものは余すことなく活用したいという想いで、柑橘のコスメを作っているブランドです。
蓋を開けた瞬間に広がる柚子の香り! 柑橘系の懐かしさを感じます。とてもみずみずしく、ツンとした酸味は一切なくまろやかな甘さがあります。
柑橘系の柚子は、圧搾法だと光毒性があります。紫外線に当たることで肌に炎症を起こしてしまうというもの。Yaetocoの「ゆず」は水蒸気蒸留法なのでその心配はありません。
作ったアロマスプレーをシュッと振りかけてから外出しても大丈夫。出先でのリフレッシュにもおすすめです。
ジンジャー
温め効果と言えば、日本でも世界でも古代から重宝されてきた生姜・ジンジャーです。和食には欠かせないスパイスとして、またさまざまな漢方にも使われていることからいかにその成分が有効かは想像に難くありません。
そのエッセンスをギュッと凝縮したオイルも、同様にその効能を受け取ることができます。
温め効果のほかに、胃や腸を元気にするなど消化器系の不調にとても有効です。
・FLORIHANA(フロリハナ)ジンジャー
フランス・プロヴァンス地方のコーソール高原で作られている、オーガニック(※)のエッセンシャルオイル、FLORIHANAのジンジャーを紹介します。
(※)……アブソリュートや一部を除く
1993年、フランスで生まれたFLORIHANAは、2013年に日本支店をオープン。品質の高さはもちろん、心をくすぐる可愛い缶のケースも、人気の理由ではないでしょうか。
その品質は、数々の認証を受けていることでも明らか! オイルのボトルにはABマーク、ユーロリーフ、エコサート、JAS、USDAの5つの認証マークが並んでいます。特にアロマに精通するプロに愛用者が多いというのも納得です。
スパイス系精油、ジンジャーの香りはピリッと刺激的でややレモン味があります。
FLORIHANAのジンジャーは、それに加えてどこかでほのかな甘みを感じ、つい「美味しそう」と感じてしまいます。ジンジャー好きならぜひ試してみて。
マジョラムスイート
温かみのあるマジョラムスイートの香りは、ギリシャ神話では愛の女神・アフロディーテが与えたものとされています。ギリシャでは恋愛成就のお守りとしてなど、幸福の象徴の香りとも。
また香りのイメージ通り「温性」の性質を持ち、気や血の流れを促して、冷えによる不調を緩和してくれます。
・ease「マジョラムスィート」
easeは、公益社団法人 日本アロマ環境協会(AEAJ)の表示基準適合認定精油です。エッセンシャルオイルには、買い手からは品質がわかりづらいこともありますが、その点でもeaseは安心して使えそう。
また上質なエッセンシャルオイルでありながらリーズナブル。海外より直接輸入して国内で小分けにする、過剰な在庫は保管しない、必要最低限のミニマムな包装などが主な理由です。
今回紹介するeaseのマジョラムスィートは、オーガニック認証を受けているサプライヤーより仕入れているものの、小分け作業は自社で行っているため認証マークはついていません。そのひと手間のおかげで、オーガニックの精油が安価で手に入るのだから嬉しいですよね。
香りはどこか独特なハーブっぽさと繊細な甘さがあります。スッキリとしつつもどこかマイルドで温かさを感じます。
ジュニパーベリー
洋酒・ジンの香りづけとしても知られているジュニパーベリー。浄化作用が高いことから、中世ヨーロッパでは魔除けや疫病除けとしてジュニパーの枝葉が焚かれていたという歴史があります。今でも、不安や恐れなど負の感情を和らげ、浄化してくれるとされています。
また体全体の熱源を補う働きで、体を温めてくれます。冷えに伴う症状などの緩和も期待できそうです。体を温める以外にも体内の水分バランスも整えてくれる作用やデトックス作用があり、冷えによるむくみにも効果的!
・NEAL’S YARD REMEDIES(ニールズヤード レメディーズ)「ジュニパーベリー」
植物の生命力を取り入れて、上質なライフスタイルを提案するホリスティックビューティーブランドのNEAL’S YARD。1980年代、ロンドンの中心部コヴェントガーデンで、ほんの2坪というサイズのお店から始まったとは思えないほど、今では世界中にファンがいる人気ブランドに!
世界で初めて、ヘルス&ビューティブランドとして100点満点のエシカル認定(*)を受けていることからも、いかに意識が高く、そして人や自然環境に配慮した企業かということがわかりますね。
(※)……Ethical Company Organisationによる監査
ジュニパーベリーの液果から丁寧に抽出されたエッセンシャルオイルは、森林浴をしているような清々しくキリリとした香り。ふわっと広がったジュニパーベリーの香りに、私はなぜかクリスマスを思い浮かべてしまいました。冬の森のイメージを強く感じます。
体に蓄積された老廃物の排出を促す作用に優れていることから、マッサージオイルやバスアロマとして使うと良さそうですね。
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冬におすすめのアロマを4種類ご紹介しました。
温性であるなど主に性質や効能で選びましたが、全体的にどっしりとした樹木でありながら、ほのかな甘さが混じった香りが多かった印象です。
気になる香りは見つかりましたか? 日常にぜひ取り入れて冬を快適に過ごしてくださいね。
旅するように暮らす自然派ライター/オーガニック料理ソムリエ。
4年に渡る世界一周後、オーストラリアに移住し約7年暮らす。コーヒー好きが高じてオーストラリアではバリスタ業の経験も。今は繊細でフルーティーな浅煎りコーヒーに夢中です。ライターとしては旅行誌の広告制作を経て、雑誌広告や編集ページを主に執筆。現在は自然に沿った生き方、ほどほど丁寧な暮らしを自ら実践しながら発信中。地球にも体にも優しい生き方のヒントをお届けしていきます。
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