2022.12.09
1包から始められる漢方薬店「LAOSI」で今年の不調にサヨナラ
LAOSI
なんとなく気分が晴れない、最近眠れない…などふとした時に感じる不調。もしかすると、ココロとカラダのバランスが乱れているサインかもしれません。
そんなはっきりとした病名のない不調を防ぎ、改善を得意としているのが「漢方」。
これまでの”敷居が高い・高価・おいしくない・続けなきゃいけない…”というイメージを払拭してくれる、初心者でもスタートしやすい、素敵な漢方薬店をご紹介します。
1年を振り返りながら、今年中に不調とはサヨナラしましょう!
試し易く、続け易い。現代に合った漢方のカタチ
東京の代々木公園にほど近い、渋谷区の神山町に店を構える「LAOSI」は、一人ひとりの体調や体質に合わせセレクト、相談に応えてくれる「1包から購入できる漢方薬店」です。あたたかく、趣のある暖簾が目印。
ゆったりとした時間が流れる店内には、ふんわり漂う良い香り。
『より現代的に、シンプルに』をコンセプトに、漢方の日常生活への取り入れ方を提案してくれるので、初めての方も安心して漢方の世界に足を踏み入れることができます。
漢方は高価なイメージですが、1包売りのため100円台から購入可能なのも嬉しいところ。1包からでも十分効果はあり軌道修正できるため、長く続けなければいけないというイメージもガラリと変わります。
店名である「LAOSI」(=老師)は中国語で「先生」という意味。
漢方とは、漢の時代に中国大陸より伝わり、日本でその医学が形を変えながら広がった”日本独自の伝統医学”のこと。
様々な生薬が相互作用を起こし効果を出すまでには、途方もない先人たちの努力があればこそ。店名はその敬意も込めて名付けたのだそうです。
カフェでの1杯を”薬膳茶”に変える新習慣
台湾や香港などの街では、ジューススタンドのように漢方や薬膳が身近にあり、日常生活に上手に取り入れています。「日本でもそれを当たり前にしたい」との想いから、こちらでは〈ハーブ・スパイス・生薬〉をミックスした、5種類の薬膳漢方茶を飲むことができます。イートイン、テイクアウトOK。(税込 450円/1杯)
- ・ストレスを開放し、リラックスしたいときに〈Calm〉
- ・集中したい時に〈Focus〉
- ・デトックスしたい時に〈Diet〉
- ・疲労回復や滋養強壮に〈Power〉
- ・COLD BREW 薬膳コーヒー
お仕事の昼休みにふらっと立ち寄ったり、お買い物ついでにほっと一息つく方もいるのだとか。
店頭では、店主・薬剤師の松浦尚子(まつうら ひさこ)さんがカウンセリング・セレクトをしてくれます(今後は予約制も検討中とのこと)。
実家が漢方薬店で、漢方薬と共に育ち身近な存在だったという松浦さん。
「でも、闇雲に漢方漢方…っていうのも違うなと思い、西洋医学の勉強もしたんです」と、薬剤師の資格を取り薬局や病院での勤務を経験したのだそう。
しかし、西洋医学と東洋医学は考え方やアプローチが全く異なるもの。
自己治癒力や免疫をあげて、不調を感じている未病のうちに軌道修正してあげる”東洋医学”に対し、病気になってから薬で治療するという”西洋医学”。
どちらも理解したうえで「もっと病気になる前から予防できることもたくさんあるはず」と日常に寄り添う漢方の魅力を再認識、東洋医学の世界に戻ってきたのだとか。
漢方が1番得意としているのが「気持ち」のケア。コロナ禍でふさぎがちな気分やストレス・緊張・不安・パニック症に効くものも。
生後3か月から飲めるものもあり、子ども連れで訪れる方もいるのだそう。なんとペットの犬も服用可能なものもあるというから驚きです。
舌の裏を見て体調を診たり、服用中の薬との飲み合わせの相談もできるのは、西・東洋の両方の知識があるからこそ。
店内と松浦さんの優しい雰囲気に包まれ、なかなか人には言えなかった私の悩みもスルスルと…。
胃腸がとても弱り、気と血の巡りが悪くなっていることが発覚。煎じ薬の「六君子湯」と「当帰芍薬散」を提案してもらいました。
初体験「おいしい漢方」にびっくり
店内で煎じ薬をいただくことができます。1時間くらい煎じるようなものではなく、袋を少し破って水に入れて電子レンジで5分チン。自宅でも簡単にできるのでグッとハードルが下がります。
特筆すべきは、その美味しさ! スパイスが効いたおいしいスープ…と表現すれば伝わるでしょうか?
「トッピングも試してみますか?」と松浦さん。自由に加えてアレンジを楽しめるのも醍醐味。全種類入れる方もいるそうですよ…!
台湾人のお客さんの勧めで”白キクラゲ”もラインナップにプラス。お客様の声も大事にしているのが伝わります。
私は喉を傷めていたので、肺を潤す力が強い「白キクラゲ」をトッピング。喉の乾燥や咳を落ち着かせてくれます。マヌカハニーも優しい甘さと殺菌効果で相性抜群。飲むうちに身体がポカポカ。喉の痛みも和らぎ、その即効性に驚きました。
小さなことから日常に取り込む楽しさ
漢方の他に、のど飴や浴剤も。浴剤は天然の生薬100%でできており、じんわり汗がでる程とても温まります。お肌につけてもOKなので顔も艶やかに。これからの季節にぴったりのアイテムです。
女性によいとされる棗やクコの実も。お茶に入れたりヨーグルトにも合いそう。
よもぎ蒸しやヨガなどのイベントも定期的に開催。薬膳ケーキやお茶を食べる会も開かれたそうで、今後も様々な案を企画中なのだとか!
浴剤とセレクトしてもらった漢方を購入。これなら楽しんで身体と向き合うことができそうです。
スターターキットなどもあり、ラッピングも可愛らしいのでプレゼントにも良いかもしれませんね。
まずは自分を知り、整えるべきは「食」
お話する中で印象的だったのは「漢方や養生をたくさんの人に知ってもらいたいのと同時に、セルフケアの大切さ、毎日のお食事の大切さを知って欲しい」ということ。
不調の原因は種々様々。世間で健康に良いとされているものは実は自分には合わないかもしれないということを知ることがとても大事。「病は気から」というように、漢方が考える”気”と”血”を巡らせるためには、胃腸を整えることが何よりも大切だといいます。
特に若い世代へ伝えていきたいというのが「体内老化が進み、あまりにも自分の身体のことを知らない」ということ。
冷たいものを食べて冷やしすぎたり、生理痛が来れば薬を飲む…というのが当然ではなく「何歳からでも食生活や選ぶもの、食べるものひとつでカラダが変わる」という根本を整える大事さも考えるきっかけになりました。
「何を食べたらいいだろう? どうしたらいいのかな?」とちょっと聞ける、あったらいいなとずっと思い描いていた場所。まず、自分の身体を知って、そこに漢方が少し助けてくれる安心感。
「その方の状態や生活習慣などによってセレクトが異なります。なので気軽にご相談に来てもらって、試してみてもらいたいんです。ちょっと相談できる、安心する場所でありたいと思います」とメッセージをいただきました。
心がこもったアドバイスをもらい、帰り道の坂を下りる足取りがとても軽くなりました。
一度、ココロとカラダのメンテナンスに訪れてみては?
ドイツ在住の元CA。システムエンジニアを経て客室乗務員となり、退職後2023年より家族とドイツに住む。学生時代に台湾留学でマスターした中国語と英語に加え、現在はドイツ語の資格取得に挑戦中。異文化交流と新しい体験を求めて、世界中を旅するグルメ探究者。旅先で味わった料理を自宅で再現するのが趣味。ドイツを中心にヨーロッパでの暮らしと旅情報をお届けしていきます。
Instagram:@wakana_log/@wakana_log_germany
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