2022.08.27
美食の国セネガルで、フレンチとアフリカのマリアージュを堪能
CHEZ RASTA(シェ・ラスタ) LA BOHEME(ラ・ボエム)
アフリカが誇るグルメ、セネガル料理
旅行の楽しみのひとつが、現地の食事。セネガル料理が美味しいことは意外と有名で、ミラノでも、ほかのアフリカ諸国でもセネガル料理のレストランは人気です。
フランス領時代に流入したフレンチのノウハウと、地の利を生かした新鮮な野菜や魚、魚介だしなどを上手に使って、驚くほど美味で洗練されたお料理を楽しめます。
こちらは、代表的なセネガル料理のひとつ、チェブヤップ。羊肉と野菜を煮込み、そのスープでチェブ(米)を炊いたものです。
私たちが訪れた6月は、マンゴーが鈴なり状態。食べきれない分は、ジャムにして保存しました。
今回は、セネガルならではのグルメを味わえるレストランを、2軒ご紹介します。
ラグーンを丸ごと楽しめるレストラン
サリーの近く、サムーンのビーチからレストランのボートで移動して、ラグーンに浮かぶ「CHEZ RASTA(シェ・ラスタ)」へ。
パラソルやデッキチェアも自由に使えるので、午前中に訪れて、ラグーンの穏やかなビーチで海水浴をしてからランチすることができます。
ここはジャマイカかと錯覚するほどボブ・マーリー一色で、セネガルのトリコロールとも妙にマッチしていています。欧米のヒッピー文化が足元にも及ばないほどしっくりきているので調べてみると、ボブ(親しげですが)はアフリカの血もひき、汎アフリカ主義者として何度もアフリカを訪れ、当時から政治的側面からもアフリカ人の絶大な支持を得ていたそうです。
改めて写真で見るとトゥー・マッチな装飾ですが、実際この場にいると茶褐色の風景とのコントラストが違和感なく、ラグーンが運ぶ風とともに緩く心地いい空間となっていました。
エビと野菜の前菜の次に運ばれてきたのが、メインの魚料理チェブ・ジェン。
BBQグリルされた魚もさることながら、付け合わせの野菜の美味しさが特筆ものでした。セネガルのニンジン、玉ねぎなどの野菜は日本やイタリアより数段美味しいです。野菜自体の甘みが強く、美味しいブイヨン作りに一役も二役も買っているのがわかります。
タマリンドのソースは、唐辛子が効いていて酸味があって、大人には最高のスパイス。
初物のココナッツをビーチから売りに来た、セネガル版ヤンキーおじさん。上部を割って、ストローをさしてジュースとして出してくれます。
このラグーンでは、天然の牡蠣やウニなど、新鮮な貝類も収穫されます。レストランの向かいの市場で、まだ動いているウニを食べました。身は細めで瑞々しく、味がギュッと濃縮されています。
ローカル食材をいかしたオーガニックフレンチレストラン
ビーチの喧騒を離れて、落ち着いた雰囲気の中でフランス料理をいただけるのが、こちらの「LA BOHEME(ラ・ボエム)」。
ルーラルな雰囲気の庭には、たくさんのハーブや、廃材などで作られた遊具もあります。
ランチのみの営業で、オードブル、メイン、デザートのコース(6000CFA/約1,300円・税込) からオーダーします。
前菜は、キッシュの生地に、地元のマグロ、トマトとチーズが乗ったタルト。シンプルですが、美味しい素材を使うことで香ばしく、味わい深い一品に仕上がっています。
メインは、牛肉の煮込みとライス。ここでもやっぱり玉ねぎと人参が最高の仕事をしていました。日本の洋食屋さんの絶品ビーフシチューといった感じです。
こちらのオムレツも、懐かしい味。ひよこ豆を添えるアイディア、ビジュアル的にもいいなと思いました。
店内はショップになっていて、ハーブティーやオイル、服や雑貨が売られています。
日本人の口にも合うセネガル料理。日本にもセネガル料理のレストランがあるので、興味を持たれた方はぜひ足を運んでみてくださいね。
映像ディレクターなどを経験し、ヨーロッパなどを旅した後に、NYに留学。そこで出会ったイタリア人の旦那さんとの結婚を機にミラノに。現在は育児の傍ら、通訳や日本食ケータリングのお仕事もしています。人との距離感やテンション、センスなどミラノの全てが大好き! 記事では街やそこに住む人々の魅力も伝えていきたいです。様々な形で日本とイタリアの橋渡しができればと思っています!
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