2022.08.10
夏バテ対策からそうじまで!お酢の活用方法と、おすすめ3選
飯尾醸造 内堀醸造 ムソー
皆さんのおうちにも、だいたい一本はあるお酢。夏におすすめの調味料としても知られています。酢の物などの料理に使うのはもちろんですが、実は調理や飲む以外にも有効な活用方法があるのです。
そしてお酢の選び方も重要です。選ぶ基準や、おすすめのメーカーとともにお酢の魅力を紹介します。
今家にあるお酢はどのような理由で選びましたか? 実は上質な調味料は栄養価も高く、スーパーフードのような存在。「なんとなく」や「安いから」で選ぶにはあまりにもったいないのです。
お酢とは? そして選ぶポイント
お酢は原料となる穀物や果物から酒を醸造し、酢酸発酵させた酸性調味料です。
日本では米を原料とした米酢が一般的で、玄米から作られた黒酢や、リンゴから作られるリンゴ酢などをよく見かけます。
選ぶポイントは原料がシンプルであること。米酢なら米、黒酢なら玄米、とだけ書かれたものを。実は日本のスーパーなどで一般的に販売されている安価なお酢の中には、酢酸を薄めて砂糖類や添加物で味を調えた合成酢も多く出回っているので、少し高くても醸造酢を選びましょう。
身体が夏にお酢を求める理由
夏になると恋しくなる「酸っぱい」料理。酢の物やピクルスなど、夏によく食べられる料理にはお酢が使われていることが多いですよね。
その理由は食欲増進や疲労回復、消化促進といったお酢の成分が持つ効能にあるようです。体が欲する食べ物には、理に適った理由があるのですね。
米酢とは
定番かつポピュラーな米酢。米を主原料とした穀物酢で、1リットル当たり40グラム以上の米を使用したもの。米が原料でまろやかさがあり、寿司飯や和食と相性バッチリです。
栄養成分はカリウム、カリウム、マグネシウムなどのミネラルや、ビタミン、パントテン酸など。主成分の酢酸は体内でクエン酸に変化。クエン酸といえば疲労回復などの効能が知られています。
飯尾醸造「純米富士酢」
明治26年創業、自然豊かな京都・宮津にある飯尾醸造。「おいしくて、しかも安全な最高のお酢」を造ることを信念にお酢づくりをしている老舗醸造です。
無農薬の新米を使い、昔から行われてきた日本古来の方法「古式静置発酵」でお酢を造っているお酢メーカーは本当に稀だそう。
看板商品「純米富士酢」の原料はいたってシンプルです。地元、京都・丹後の山里で栽培された無農薬の米と山から湧き出た伏流水のみ。米作りから2年以上という歳月をかけた長期熟成で、丁寧に作られたお酢なのです。また酢に対し米の割合が高いのも特徴です。
まろやかな純米酢ですから、どんなお酢料理にも使えます。特に酢の物やすし飯、酢漬け、エスニック料理など、お酢が味付けの決め手となる料理におすすめ! 定番のお酢として重宝したい一本です。
黒酢とは
玄米を原料とした褐色の米酢。必須アミノ酸を含むアミノ酸、クエン酸などの有機物やミネラル、ビタミンB群などが豊富なので、健康飲料として飲むならこちらがおすすめです。
玄米の糠(ぬか)や胚芽には農薬が溜まりやすいとされるため、玄米製品こそ無農薬や有機栽培などなるべく自然に沿った栽培方法で育てられた玄米を原料とするものを選びましょう。
内堀醸造「美濃有機純玄米黒酢」
「酢造りは酒造りから」。これは内堀醸造が大切にしている考え方であり原点。同醸造の酢造りは酢にするための酒造り、酢もろみを造ることから始まります。
また酢造りにとって大切なものは水と空気、乳酸菌で、これらは味を大きく左右する要だそう。木曽川とアルプスに囲まれ、水と空気に恵まれた岐阜県八百津町にある内堀醸造は、その環境が整っています。
国産の有機玄米のみを使用した有機JAS認証の黒酢。黒酢独特のクセを感じず、スッキリとした甘みを感じる味です。私はこちらをよく炭酸で割って飲んでいます。
リンゴ酢とは
リンゴの果汁をアルコール発酵、酢酸発酵させて熟成させた果実酢のこと。リンゴの搾汁が1リットル当たり300グラム以上のものを指します。世界でも人気で、アップルビネガーとしてアメリカでは特に人気です。フルーティーで飲みやすい味なので炭酸と割ったり、ドレッシングとしても使えて重宝します。
カリウムやナトリウムを筆頭に豊富なミネラル、炭水化物、ビタミンB12、リンゴポリフェノールが含まれ、血流改善や免疫機能の向上に繋がるとされています。
ムソー「有機アップルビネガー」
「Organic & Macrobiotic」ライフを提案し、自然食品を販売するムソー。「大地の恵みと食卓をまっすぐむすぶ」をモットーに余計なものを加えない、安全性にこだわった商品を扱っています。
ムソーオリジナルのアップルビネガーは、有機栽培のリンゴ果汁のみを原料とし、昔ながらの静置発酵法で作ったアルコールなど一切添加せず、有機JAS認定の純リンゴ酢です。
フルーティーなアップル果汁の味をそのまま感じる、軽やかな味わいでサラダのドレッシングなどにも合います。
使い方(飲食)
お酢の飲用、料理に使うときに知っておきたいことを紹介します。
飲用は毎日少しずつ
お酢に含まれるクエン酸やアミノ酸が疲労回復や、腸内環境を整えるサポートをしてくれるなどメリットがたくさん! 健康法としてお酢を飲む人もいるかもしれませんね。
推奨されている飲み方は一日大さじ1~2杯までを、5~10倍に薄めて。マクロビオティックの観点からは、お酢は陰性の食品になるため、一度にたくさん摂取すると体を冷やすことに繋がる場合も。胃への刺激を避けるため、空腹時は避けることも大切です。
お酢を料理に
酢の物や酢豚、ピクルスなどお酢を使ったレシピは色々ありますが、爽やかなアクセントになるため夏の定番調味料として工夫して使ってみてください。
今年、私が気に入っているレシピは「キュウリとサバ缶の黒酢和え、薬味乗せ」。
キュウリとサバ缶を和えて、黒酢と醤油を大さじ1程度(同量)、ごま油適量で混ぜるだけ。仕上げにみょうがや生姜の細切りをお好みで乗せて完成です。瑞々しい旬のキュウリにほろ苦い薬味、適度な油分とコクのあるサバの組み合わせに、黒酢の酸味をプラスした絶品レシピ!
使い方(そうじ)
消費期限までに使い切れなかったお酢は、そうじやセルフケアに使ってみるのもおすすめです。
そうじ
お酢の酸はアンモニア、水垢、アルカリ性の汚れに効果があるため、それを利用して暮らしに役立ててみてはいかがでしょう。お酢は酸性の性質を持つため、アルカリ性の水垢、そして茶渋などの汚れを中和して落としやすくしてくれます。水回りからトイレ掃除やフローリング磨きなど家中で大活躍! 殺菌力も強く、防腐や消臭にも作用します。食品のため安心して使えるのもいいですね。
お酢スプレーを一本用意しておくと便利です。といってもスプレーボトルに水とお酢を1:2で混ぜておくだけの簡単なものでOK。シュッとして乾いた布でサッと拭き取って。
また汚れによっては重曹と組み合わせることで泡立ち、さらに威力を発揮します。
使い方(セルフケア)
酢リンス
酢は飲食やそうじ以外にも、肌や髪などのセルフケアにも使えるのです。
方法はとっても簡単! 洗面器にお湯を入れ、大さじスプーン1~2杯のお酢を混ぜるだけ。お湯の量は一度分のリンスなのでだいたいで大丈夫です。おすすめは匂いの気になりにくいリンゴ酢か、アミノ酸が髪や頭皮によい効果があるとされる黒酢です。
また水(できれば精製水)とリンゴ酢か黒酢を1:10でスプレーに入れてお手製化粧水としても活用できます。食用レベルで添加物不使用なので安心ですね。
お酢の魅力と取り入れ方など、実際に私が取り入れているものを紹介しました。何種類か揃えて、気分や用途によって使い分けてみてはいかがでしょうか。
旅するように暮らす自然派ライター/オーガニック料理ソムリエ。
4年に渡る世界一周後、オーストラリアに移住し約7年暮らす。コーヒー好きが高じてオーストラリアではバリスタ業の経験も。今は繊細でフルーティーな浅煎りコーヒーに夢中です。ライターとしては旅行誌の広告制作を経て、雑誌広告や編集ページを主に執筆。現在は自然に沿った生き方、ほどほど丁寧な暮らしを自ら実践しながら発信中。地球にも体にも優しい生き方のヒントをお届けしていきます。
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