2022.04.06
アート×グルメで非日常的な体験を。自然と人を繋ぐ絶品ヴィーガンラーメン
Vegan Ramen UZU Tokyo(ヴィーガンラーメン ウズ トウキョウ)
お出かけ気分が高まり、ちょっとした非日常感を求めている方も多いのでは。
今回ご紹介するのは、あのミシュランにも掲載された、ヴィーガンラーメン専門店「Vegan Ramen UZU Tokyo(ヴィーガンラーメン ウズ トウキョウ)」。
オーナーシェフであり代表の片岡さんにもお話を伺うことができました。
新豊洲駅から徒歩1分。体験型アートミュージアム「チームラボプラネッツ TOKYO DMM」の敷地内にVegan Ramen UZU Tokyoはあります。チームラボプラネッツの来館者以外も利用可能なのでご安心を。
入ってすぐの建物が目印。次々と新作がリリースされ進化し続けるヴィーガンラーメンの他、スイーツ、お茶も販売していますが、今回はVegan Ramen UZU Tokyo限定商品をいただきます!
“食”というアート体験。既成概念の外側へ
片岡さんは、単なるチームラボの作品を使ったデザイン空間ではなく、「“食”という行為のアート体験」ができる“アート空間”を求め、京都店に続き新豊洲にもお店をオープンさせました。
購入商品は、チームラボの作品空間≪虚像反転無分別≫(セットチケット購入者のみ入場可)で飲食が可能です。チームラボが設立以来書き続けている空間に書く“書”「空書」の墨跡がぐるぐると渦を巻く、不思議な世界。
時々空間が暗転、真っ青になり料理本来の色彩が見えません…。なぜ一般的に食欲を削ぐ色と言われる「青」なのか。
「美味しく見える環境で美味しい料理を食べるというのは、他の飲食店も同じ。色彩が無い世界で料理を食べると、どんな感覚になるのかを楽しんでもらいたい」と片岡さん。
視覚情報が減り、味覚・口内感覚・独特な音の空間の中で、あなたはどう感じるでしょう? ”飲食店はこうあるべき”という概念を覆す、未来の新しいヒントがここにはあるかもしれません。
花を取り込むことでより濃い体験に
すべてのラーメンのスープは、羅臼昆布と国産椎茸に野菜を加え12時間じっくり水出しし、低温で煮出したもの。ラーメンの肝となるのは「塩味・油・うま味のバランス」。動物性の旨味がなくても香りとバランスが追求された逸品です。
麺は北海道産の小麦粉と別名“オーガニックの街”宮崎県綾町産の無農薬全粒粉を使用。スープに合わせ麺の太さが異なります。
チームラボプラネッツの作品《Floating Flower Garden》がモチーフ。アート体験した人が、“見て写真を撮って終わり…”ではなく、その延長で「美の対象である花を体内に取り込む」ことで体験をより濃いものにして欲しいという想いが込められています。
3つ星レストランでも使われる梶谷農園のエディブルフラワーをふんだんに。こんなに贅沢に使用されている料理を見るのは初めて…! 花は日替わりで、届くまでわからないのだとか。
つるっとコシのある麺と、良質なオリーブオイルをたっぷり使った、塩だれベースの冷たいスープがのどごし爽やか! 土をイメージしたシイタケの佃煮のうま味が濃厚、雲のようなレモンエスプーマがなんとも可愛らしく、見た目以上に食べ応えがあります。
お好みでローズウォーター(ローズエキス・炭酸水)を加えることで、シュワッと新感覚、後味もサッパリ。最後の一滴まで堪能しました。
長いテーブルで人・食・世界の繋がりを考える
外に出ると、チームラボプラネッツのシンボル《空から噴き落ちる、地上に憑依する炎》、空がそのままテーブルになったような鏡面の作品《空と火のためのロングテーブル》が。
ラーメンを置いて作品と空が繋がり、まるで浮いているよう。
スープはブレンドした味噌に豆板醤・本味醂・数種類のスパイスを調合したカラシビ油を加えた食欲そそるスパイシーな香り。ヴィーガンとは思えない深いコクがあります。
大胆に盛り付けられた甘いトマトは辛さとベストマッチ。思わず夢中で頬張ります。
自家製の平麺は太くスープとよく絡み、食べ応え十分。「ほーっ」と思わず笑みが出るほど大満足の逸品。
ヴィーガン専門店は、ヴィーガンの人たちのためのものと思いがちですが、「是非すべての人に食べて欲しい」と片岡さん。その垣根を超えるのがアートの力であり、頼らなくても超えられる高いクオリティがあると感じました。
デザートには、ふわふわ濃厚なスイーツもぜひ楽しんで。
割りばしは、国内杉の間伐材を再利用し、無漂白・無殺菌。天然杉で良い香り。半年~1年繰り返し洗って使えるので私も愛用中。ぜひ持ち帰ってみてくださいね。
自然と人の原点について考えさせられる
お話の中で興味深かった、これから自然と人を考える上で必要な「照葉樹林文化」と「精進料理」というキーワード。
地球は、地を耕され負荷がかかり人にエネルギーを奪われているのが現状。私たちは負荷を減らすだけでなく、自然の循環から食を繋げ、地球が再生する仕組みまで落とし込んで考えることが大切だといいます。
かつて西日本を照葉樹林が覆い、自然のパワーが強い環境下でも生き物は力強く文化を作り上げたという「照葉樹林文化」。この頃のように地球が本来の姿に戻れば、同じくして人も最大のパフォーマンスを発揮できる可能性があり、一度自然と人の関係性を考え直そうというもの。
片岡さんはさらに「精進料理」が中国から渡り普及した時代背景とヴィーガンが広がる現代社会のムードに何か共通点やヒントがあるのではないか?と言います。
コロナ禍でスタートし、すでに世界を見据えるVegan Ramen UZU。日本古来の文化を織り交ぜながら、次はどんな壮大なテーマを発信していくのでしょう? 今後も目が離せません!
ドイツ在住の元CA。システムエンジニアを経て客室乗務員となり、退職後2023年より家族とドイツに住む。学生時代に台湾留学でマスターした中国語と英語に加え、現在はドイツ語の資格取得に挑戦中。異文化交流と新しい体験を求めて、世界中を旅するグルメ探究者。旅先で味わった料理を自宅で再現するのが趣味。ドイツを中心にヨーロッパでの暮らしと旅情報をお届けしていきます。
Instagram:@wakana_log/@wakana_log_germany
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