2022.02.05
台湾素食をもっと身近に!素食カフェRenで冬の味、水ぎょうざ鍋に舌鼓
素食カフェRen(レン)四条大宮店
京都・四条大宮の住宅街に、ヴィーガンや菜食の人がこぞって訪れる素食カフェRen(レン)があります。一度訪れると何度も足を運びたくなる理由は、手間暇かけた菜食ご飯をリーズナブルに楽しめるから。
今回は冬季限定メニューを、店長の木本ゆかりさんのお話と一緒にご紹介します。
台湾素食とは
素食カフェRenで提供されているのは台湾の素食。「台湾素食(たいわんすーしー)」といい、精進料理のことを指します。
現地では宗教や健康上の理由から、人口の10%がベジタリアンだそう。学校の給食やコンビニでも素食の選択肢があるほど人々の食生活に溶け込み、今では特に若い人にとっての食文化のひとつになっています。
素食は肉、魚、卵や乳製品はもちろん、五葷(ごくん)と呼ばれる食材(ネギ、ニラ、タマネギ、ラッキョウ、ニンニク)も一切入っていないのが、ヴィーガンともまた違うそうです。
命と向き合い生まれた気づき
台湾から移住したオーナーと現在の四条大宮店の店長、木本ゆかりさんの2人で始められた素食カフェRen。今では京都に3店舗を展開する人気店に。
オーナーが病で生死を彷徨う経験をし、奇跡的に一命を取り留めてから健康や環境、命について向き合うなかで食の重要性を実感。より多くの人に素食の素晴らしさを伝えたいと、和歌山に本店をオープンされたのです。
ご自身の体験をもとにされているところに説得力がありますね。
・生きとし生ける全ての命を想う
きっかけは食が与える健康への影響でしたが、目指している大きなテーマは地球上で生きとし生けるすべての命が幸せに生きる世界。
さらに「サステナビリティを考えるなら、動物性食品を摂らないことに行き着くのでは」という木本さんの言葉通り、素食を選ぶことは環境を守ることにも大きく貢献しています。
Renを菜食の入口に
「ひとりが完璧な菜食になるよりも、より多くの人が週に一度でも菜食を取り入れることが大切」と木本さんは言います。
素食カフェRenでは昼と夜のメニューが同価格で、その手間や食材の質を考えるととにかくリーズナブルなのも納得です。
特製薬膳スープ
Renを語る上で外せないのが、調合した漢方を2時間以上グツグツと煮込んで作られた薬膳スープ。
クコの実やなつめ、陳皮など15種類以上の漢方を季節ごとにブレンドするため、そのときどきの体調をサポートする効果が期待できます。
またスープは看板メニューの「Ren特製薬膳鍋」だけではなく、幅広い層に人気のカレーやラーメンのベースにもなっている同店の要です。
木本さんも「体を温め自律神経を整える、この食養生スープはぜひ全部飲んで欲しい」とのこと。
・薬膳スープを自宅でゆっくり
スープはオンラインでも買えるため、関東に取り寄せて、定期的に飲んでいるというファンもいるそう。
オンラインでの発送は地球環境への負担を考え、プラスチックは最低限にしたエコな簡易包装です。 「動物に、地球に、人の身体にやさしく」という自然を想う姿勢は、細部にまで浸透しています。
自然の力を信じて
こだわりの食材、お米や野菜は信頼関係のある栽培者さんから。亀岡市にある自社農園に加え、完全無農薬の自然農で栽培された食材を仕入れています。
自然農で作られた野菜は、生命力の強さや野菜本来の味わいがあります。
また赤飯のように見える玄米ご飯は玄米と3分づきを半々で。
大豆や黒米などの雑穀を混ぜており、玄米と雑穀のひとつ緑豆は水に1~2日浸けて発芽したものを使用するため、柔らかく食べやすいです。
季節限定メニュー「水ぎょうざ鍋」1,380円
冬限定の水ぎょうざ鍋は、日替わりのおかず3品とご飯付き、オプションでラーメンも追加可能なので満足感ばっちりです。薬膳スープに野菜と手作り水餃子がたっぷり!
具材にはキャベツ、にんじん、しいたけ、春雨、そしてその野菜エキスをたっぷり吸ったソイミートを。もっちり厚めの皮の餃子を噛むとジューシーに野菜のうまみが溢れます。
毎年冬になるのを心待ちにしているファンも多い人気メニュー。
台湾素食を日々の選択に。一週間に一食からでも、その積み重ねが優しい地球を作るはず。
Renで過ごす時間は、そんなことを気付かせてくれました。
旅するように暮らす自然派ライター/オーガニック料理ソムリエ。
4年に渡る世界一周後、オーストラリアに移住し約7年暮らす。コーヒー好きが高じてオーストラリアではバリスタ業の経験も。今は繊細でフルーティーな浅煎りコーヒーに夢中です。ライターとしては旅行誌の広告制作を経て、雑誌広告や編集ページを主に執筆。現在は自然に沿った生き方、ほどほど丁寧な暮らしを自ら実践しながら発信中。地球にも体にも優しい生き方のヒントをお届けしていきます。
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