2021.10.08
毎日の食卓をより豊かに。スパイスの王様・胡椒を知ろう
イタリア 胡椒
知って損なし、胡椒の効果や種類
世界で一番使われていると言われる香辛料は、胡椒。
中世ヨーロッパではその防腐作用の高さから珍重され、日本には約1300年前に伝わったとされています。食の歴史から見ても重要なスパイスです。
私たちの暮らしにもなじみ深い香辛料ですが、健康・美容効果の高さは、それほど知られていないかも知れません。
辛み成分のピペリンによる血行促進作用が消化や脂肪燃焼を助け、さらには毒素を排出するデトックス効果、抗酸化作用によるアンチエイジング効果も期待できる、実はかなりの優等生です。
肉料理にも魚料理にも合う胡椒は、もちろんイタリアの食卓にも欠かせません。調理用、テーブル用、料理に合わせて数種類を揃えている家庭も多いです。
色別のタイプについて、まずは押さえておきたいところ。
- ブラックペッパー:熟する前に摘み取り、天日干しさせたもの。辛みと風味が強く、肉料理の他、どの食材とも合う。
- ホワイトペッパー:熟した実を水に浸して発酵させ、皮を取り除いたもの。風味が穏やかで、魚料理との相性が良い。
- グリーンペッパー:熟する前の実を茹でて塩漬けにして低温乾燥させたもの。爽やかな辛味。
- ピンクペッパー:完熟した実を天日乾燥させたもの。ほのかな甘みが特徴。収穫が難しく、コショウボクの実のものが多く流通している。
インド原産で、現在は赤道に近い多くの地域で栽培されています。産地によって風味がかなり異なり、最高品質とされるカンボジアのカンポット産やカメルーンのペンジャ産のものなどは、世界の有名シェフたちがこぞって使っていたりします。
イタリアやフランスでは、マダガスカル産の野生の胡椒も人気です。
胡椒が主役のパスタ「カチョ・エ・ぺぺ」のレシピをマスター!
胡椒が主役の料理と聞かれてイタリア人が最初に挙げるのが、「カチョ・エ・ペペ」。
Cacio(チーズ)と Pepe(胡椒)という意味の、ローマ地方で生まれたレシピです。材料はシンプルで、胡椒の香りが引き立つ、胡椒好きにはたまらない一品。手早く作れますが、コツが必要です。
<材料(2人分)>
・ペコリーノチーズ 100g
・長麺タイプのパスタ(タリアテッレやスパゲッティなど)160g
・ブラックペッパー(できればホール)適量
・塩 適量
<作り方>
①お湯を沸かし始めます。
お湯の量は、普段より少なめに。塩分が強めの茹で汁が鍵です。
②ペコリーノチーズを削ります。
ペコリーノチーズはローマ地方で作られるチーズで、有名なパルミジャーノと比べて塩気が強くクリーミーさが特徴です。他のチーズでも代用できますがクリーム状にするのが難しいので、ここはぜひペコリーノチーズを使うのがオススメです。
③胡椒を挽きます。
もし粗さの調節ができるミルをお持ちの場合は、粗めに挽くとより香ばしくなります。
④沸騰したお湯に塩を加え、麺を茹で始めます。
薄いスープほどの塩気を目安に、普段より塩っぱい茹で汁にします。
⑤同時に別のフライパンに挽いた胡椒の半分を入れ、弱中火でかき混ぜながら炒めます。
香りが出てきたら、ここにお玉1杯分の茹で汁を加えます。
⑥茹で時間が半分を経過した時点で、茹で汁は捨てずにパスタを胡椒のフライパンに加えます。
やや強火で、中華料理を作る要領でパスタをよく動かしながら乳化させ、茹で上がりまで水分がなくならないよう数回茹で汁を加えていきます。
⑦チーズにお玉半分の茹で汁を加え、よく混ぜてクリーム状にします。チーズが塊にならないよう適宜、茹で汁を加えてください。
⑧アルデンテに仕上がったパスタの火を止め、チーズと残りの胡椒を加えて、しっかりと絡めていきます。
⑨お皿に盛っていただきます☆
絶妙な塩加減とクリーミーなチーズがポイントとなります!
ブラックペッパーをお持ちの方、ペコリーノチーズを見つけたら、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
映像ディレクターなどを経験し、ヨーロッパなどを旅した後に、NYに留学。そこで出会ったイタリア人の旦那さんとの結婚を機にミラノに。現在は育児の傍ら、通訳や日本食ケータリングのお仕事もしています。人との距離感やテンション、センスなどミラノの全てが大好き! 記事では街やそこに住む人々の魅力も伝えていきたいです。様々な形で日本とイタリアの橋渡しができればと思っています!
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