【俳優・渡邊圭祐】映画の撮影で今一度、実感「やっぱり環境って大事」
INTERVIEW

2026.03.16

【俳優・渡邊圭祐】映画の撮影で今一度、実感「やっぱり環境って大事」

3月には主演映画『2126年、海の星をさがして』が釧路先行公開、4月には『SAKAMOTO DAYS』と出演作が目白押しの渡邊圭祐さん。

『2126年、海の星をさがして』の舞台は北海道釧路。かつてプレイしていたRPGゲームの誘致を題材にした青春群像劇です。誘致プロジェクトをきっかけに幼なじみたちが街の未来について、そして自分たちの過去と今とこれからについて考え、行動していく姿が瑞々しく描かれます。

それぞれの作品にどのようにして挑まれたのか。また、神戸で撮り下ろした2026年のカレンダー撮影についてお伺いしました。

釧路は「すごく人が温かい」

――まずは主演映画『2126年、海の星をさがして』について伺わせてください。主演が決まった時のお気持ちはいかがでしたか?

率直に嬉しかったです。とはいえ、責任だったり、背負うものは多いんですけど、みんなで何かを作るということは変わりません。

――作品の第一印象はいかがでしたか?

釧路の空気が一番大事でもあったので、現地に行ってからが勝負というか。そこで見て感じたものにちゃんと溶け込める努力をしないといけないな、とは思いました。

――ご自身が演じる東面巌のキャラクターはどのように捉えていらっしゃいますか?

意外と愛にあふれているというか、行動の下地には全て愛があるんですよね。親だったり友だちだったり、地元だったり。手の届く範囲から届かない範囲まで、一生懸命愛そうとしている不器用でいいヤツです。

――物語が進むにつれて巌の気持ちが大きく変化していくのが感じられました。

きっとプロジェクトを進めていくワクワクがそういうふうに出て、同時に過去とも向き合えたのかな、と。あと、シンプルに共演者の方々と仲良くなれたのと、釧路の空気に慣れたというのはすごく大きいかなと思います。

――釧路はそれまでに行かれたことは?

初めてです。撮影がなかったら、もしかしたら行かなかったエリアなのかなとも思いながら撮影させてもらいました。

――行ってみて最初の印象はいかがでしたか?

確か10月とかだったんですけど、もうすでにすごく寒くて。「あ、これで撮影するんだ」と思いました(笑)。でもすごく人が温かい地域というか、ちゃんと根付いてる方々がいらっしゃって。いい意味でも悪い意味でもカラッと諦めているんですよね。「釧路はこういうところだから」という潔さみたいなのも感じました。それでも魅力に溢れてるんですけど。世界三大夕日の景色が見られるところだというのは今回初めて知ったことですし、すごく素敵なところでした。釧路に住んでる人たちは釧路で全てを完結させているという感じがして、それもまた良かったですね。

――一番魅力的に感じたのはどういったところでしょう?

自然がすごく溢れていることと、ゆっくり時間が流れていること。それがすごく素敵でした。生き急いでいない感じがして。あとご飯も美味いし。

――何が一番美味しかったですか?

東面家は、小林聡美さん演じるお母さんが魚屋さんなので、真鱈をいっぱい出されるというのが決まりなんですけど、その真鱈のフライがすごく美味しかったですね。制作の方が作ってくださってたんですけど、その方、めちゃくちゃ料理が上手くて、夜に宿舎で飲む時とかもいろいろ作ってくださってたんです。それがとにかく美味しかったです。

――そういえば、確かに食事のシーンが多いですね。

意外と多いんですよ。タレがついているザンギのザンダレとか、さんまんま、とか。

――さんまんま?

さんまの押し寿司まではいかないんですけど、そういうニュアンスの食べ物があったり。それを出汁に入れてひつまぶしみたいな感じで食べたり。多分、釧路の名物だと思います。

――じゃあ食文化も新しいものにいろいろ触れたんですね。

そうですね。すごい美味しかったです。

――今回の撮影で刺激になったところとかありましたか。

やっぱり環境って大事だよなというのは思いましたね。そこに身を置きながらお芝居をさせてもらえることがすごくありがたいことですし、やりやすいんだなというのを改めて思いました。舞台とかは自分たちの創造力や表現力が大事になってくるんですけど、映像の場合はそこにいるだけでその人になりうる何かをいただけるというのは、やっぱりいい刺激になりましたし、今一度、いい環境で僕らはやらせていただいてるんだな、ということを再確認しました。

――ちなみに今回、巌はゲームオタクという設定ですが、渡邉さんは何かのオタクだな、と思うことはありますか?

なんですかね。オタク気質じゃないんだろうな、とは思うんです。収集癖はあるので、陶器がすごい好きなんですけど。オタクって言えるほどなにかあるかな。『スラムダンク』と『ドラゴンボール』は異常に詳しいかもしれません。

――それは子どもの頃からずっと?

そうですね。『スラムダンク』は多分マンガの中で一番読んだんじゃないかな、と思います。何回読んでも面白いし、死ぬまでに井上先生に会いたいという目標は掲げています。

『SAKAMOTO DAYS』「いける」と確信した瞬間

――4月には福田雄一監督の『SAKAMOTO DAYS』の公開も控えています。撮影を振り返ってみていかがですか?

やっぱり大変でした。こんなにアクションがある作品ってそう多くないんじゃないかなと思うくらいアクションだらけで。でもすごく楽しかったです。撮影では神戸にある工場を使わせてもらったんですけど、通路も狭いし、ぶつからないようにしないと怪我をするかもという状況だったのもあって、すごく痺れるアクションでした。

――役作り的にはいかがでしょう?

福田組は2回目なんですけど、前回と同様、笑っちゃいけない役なので、笑顔だったり、いろんな表情を削ぎ落としました。漫画を読んで、アニメで岡本信彦さんが入れている声を聞いて、喋り方やイントネーションを入れながら勉強しました。

――福田監督のディレクションで印象的なことがあれば教えてください。

毎回そうなんですけど、福田さんの余白がすごく好きなんですよ。

おもしろいものに対する嗅覚もそうだし、僕らが持ってきたことに対する広げ方とかも、やっぱり福田さんならではですね。あとは福田さん、テストのほうが良かったら絶対OKをかけないんです。前回からそうだったのですが、テストのほうがいいとか、ちゃんと言ってくれるんです。

――主演の目黒蓮さんとは3回目の共演ですね。

今回は共演はしているんですけど、同じシーンは全くなくて。でも、現場で〈ふくよかな坂本〉の格好をされた目黒くんの姿を見て、「あ、これいけるな」と思いました。クオリティの高さもそうですけど、監督が目黒くんのストイックさについて僕らに話してくれていたので。求心力のある人だなと思いました。

また機会があれば共演したいです。目黒くんの主演作の半分以上に関わらせてもらっているので、呼んでほしいですね(笑)。

――渡邊さんはあまりコメディ作品の出演が多くない印象なんですけど、ご自身ではご覧になられたりは?

コメディは好きです。何も考えないで笑えることも多々あるので。ただやる側は気が気じゃないっすよね、と僕は思ってます。福田組では僕が何かを担うことはないので、今のところ楽な気持ちですけど。

――今後、出演をされてみたいという気持ちは?

もちろんです。楽しそうだな、と。それこそ「直ちゃんは小学三年生」という、もうほぼコメディみたいな作品が本当に楽しすぎたので、またそういう作品をやりたいなと思っています。

――ハンサムライブでのご様子を拝見していると、ラブコメなども期待してしまうところですが…。

あれはもう僕は毎回ああいうことをやらされるので、適当にふざけるのは得意なんですよ(笑)。でもいざ台本とかあると、ちょっと真面目が出るんでしょうね。ふざけていい、壊していいと言われたら絶対壊しますけど。でも楽しそうだなと思います。そういうはっちゃけた役は、やりたいです。

神戸でのカレンダー撮影を振り返る

――続いてカレンダーについてお聞かせください。今回、神戸の街で撮影されたとのことですが、神戸を選ばれたのは『SAKAMOTO DAYS』の撮影がきっかけとか。

『SAKAMOTO DAYS』の撮影はナイターでの撮影だったんで、昼夜が逆転していて、神戸の街並みを楽しめていなかったんです。あとは神戸の街は綺麗だよねというのがあって、じゃあもうこの際神戸で撮るか、ということになりました。

――神戸のどういったところに惹かれたんでしょう?

神戸の街並みが綺麗だという話を聞いて、ちょっと海外っぽくていいんじゃない? と思いました。でも、絶妙な緩さがあるんです。白を基調とした建物がバーッと並んでたりとか、そこにブティック的なお店が並んでいたりするんですけど、反対側の三宮のほうには高架下みたいなところにお店がたくさんあったり。ギャップがあっていいですね。昔ながらの感じがしましたし、いい二面性があって好きでした。

――撮影で行ってみてよかったところは?

にしむら珈琲店は素敵な建物だなと思いました。多分有名な喫茶店なんですけど、すごく良かったですね。雰囲気もそうだし。パンもコーヒーも美味しいし、落ち着きます。

――ご自身でお気に入りのカットがあれば教えてください。

2月ですね。これが今回撮影してくれたカメラマンの荒井俊哉さんとのファーストカットになるんですけど、荒井さんってすごい喋るんですよ。ちょっと変わった人だな、と思っていたんです(笑)。でもこの写真を見た時に、一枚絵としてのバランスがすごくかっこよくて、「あ、絶対かっこいい写真を撮ってくれるな」と思えたという意味でも、この写真がすごく良かったです。

――リリースのコメントでは、「これまで以上にいいカレンダー感のなさが出た」とおっしゃっていました。

2月の写真を見てのコメントですね。僕はカレンダー感をなくしたいんです。

今時カレンダー見る人いないでしょ、と僕は思っていて(笑)。だったら一枚の絵として飾れるもの、ポスター感覚で部屋に飾れるようなやつがいいなぁとはずっと言っていたんです。そういう意味で、飾ってもいい、おしゃれな感じが出てていいなと思った次第です。

今行きたい場所は…?

――舞台も決定していらっしゃって、お忙しい中かと思うのですが、オンオフの切り替えは得意なほうですか?

めっちゃ得意かもしれないです。オンの時間がすごく短いかもしれません。

――ご自身の中での切り替え方があったり?

多分、ふざけていないと恥ずかしいんですよ。変な話、恥ずかしいセリフってたくさんあるじゃないですか。例えば「好きです」とか「愛してる」とか。すぐにふざけないと、帳消しにできないというか。上書きしにいくじゃないですけど。演じている瞬間はそういうのはないんですけど、それがもしかしたらオンオフの切り替えのスイッチかもしれません。

――作品から作品への切り替えも難なくできそうですね。

今はわりとできるほうだと思います。昔は役のテンションに陥りやすかったですね。でも、一番明確なのは地元の仙台に帰ると完全にオフになるんですよ。それが一番オンオフの切り替えになっているかもしれません。オフにしたつもりではいますけど、よりオフになれるというか。仕事で行っててもオフで行ってる感じになるので、もしかしすると仙台の仕事は気を抜いているかもしれないです(笑)。

――仙台ではカレンダーのお渡し会もありますよね。

あります。でもお渡し会は場所に限らず、そのままやっている感じが強いです。そっちのほうがいいかなと思って。

「ハートしてください」みたいなことはやらないんですよ(笑)。せっかく来ていただいてる以上、付加価値みたいなものはあるべきなんでしょうけど、それって僕のリアルじゃないなという。めっちゃドライなんです(笑)。もちろんありがたい気持ちはあるんですけど、僕は人と話したい。ハートをしたところで忘れちゃうかもしれないので、だったら「この人とあんなこと喋ったな」ということで記憶に残ってるほうが良くない? と思うんです。例えば、ギアを入れてやってください、とかひとつオーダーがあればそういうのをやるのもいいですけどね。でも、それはもう僕のオンなんで(笑)。

――オンオフの話から…よく取り入れているリフレッシュ方法はありますか?

「地元に帰る」ですかね。やっぱり一番のリフレッシュであり、初心に返れるんです。俺ってこうだったなと思えるのは、やっぱり地元の友達と会うことなんです。地元に帰って友達に会うのが一番のリフレッシュ方法かもしれないです。

――もしかしたら通ずる部分があるかもしれないんですが、今好きなだけ時間があったらどこに行って何をしたいですか?

これはね、 L.A.に行きたいです(笑)。好きなだけ時間があったらL.A.か、ヨーロッパのほう。ちょっと遠いところに行きたいですね。行きたい行きたいと言っていて、行けていないので。

――何をしたいですか?

ヨーロッパなら美術館に行くなり、買い物するなり、街歩きをしたいですね。L.A.のほうはゆっくり過ごしたいです。海に行ってみたいな。昼からお酒を飲んで、まったり、だらだら過ごしたいです。

――目的によって変わってくると思いますが、ホテルを選ぶ際のこだわりポイントがあればお伺いしたいです。

安すぎない(笑)。別に高すぎる必要はないんですけど。例えば、2,000円から10万円まで幅があったら2万円くらいを選びます。あんまり部屋にいるわけじゃないし、安すぎなければある程度揃っていると思うので、10万も払う必要はないと思っちゃうんです。ベッドがちゃんと綺麗で、トイレと風呂が分かれていて、浴槽がキレイで、とか。眺めもそれなりによくて、いろんなものが担保されるのがそれくらいかな、と思います。

――最後に、旅の必需品を教えてください。

極力荷物は少なくしたいんですよ。バッグは小さくしたい。基本、現地調達。そういうスタイルが好きで。強いて言うなら、使わないカード。カードキーとかだとホテルで借りるカードじゃないカードを差し込みたいんで。

――なるほど!

差しておけば少し部屋を空けたい時にエアコンもついてるし、冷蔵庫もついてくれているから。差しっぱなしにできるいらないカードは必需品かもしれません。

Profile
渡邊圭祐
1993年生まれ、宮城県出身。仙台にてモデル活動の後、初オーディションで「仮面ライダージオウ」のレギュラーキャストに抜擢され、俳優デビュー。その後、ドラマ・映画・舞台に出演し活躍の場を広げる。近年の主な出演作は、大河ドラマ「光る君へ」をはじめ、ドラマ「財閥復讐~兄嫁になった元嫁へ~」、映画『八犬伝』『女神降臨 Before 高校デビュー編』『女神降臨 After プロポーズ編』、舞台「アンナ・カレーニナ」「無駄な抵抗」「たもつん」 など。現在は公開中の映画『ほどなく、お別れです』に出演しているほか、主演映画『2126年、海の星をさがして』や『SAKAMOTO DAYS』の公開に加え舞台「Yermaイェルマ」の出演も控えている。

撮影/須田卓馬
取材・文/ふくだりょうこ

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