2026.01.21
【俳優・鈴木愛理】リフレッシュ法は、“地に足をつけて生きること”
不登校の中学生と、親から自立できない教師がSNSでつながり、自分の居場所を探していく物語『ただいまって言える場所』が、2026年1月23日(金)より劇場公開されます。
主人公を演じるのは、本作が映画単独初主演の鈴木愛理さん。
8歳の時に、約3万名の応募からハロー!プロジェクト・キッズに選ばれ、アイドルグループ「℃-ute」のメンバーの一人として大活躍。近年は俳優として活動の幅を広げています。
今回キレイノートでは、生きづらさを抱えながら懸命に生きるえりこを熱演した鈴木愛理さんにインタビュー。作品を通して感じたことや、多忙な毎日のリフレッシュ方法、舞台のため長期滞在したロンドンでの生活について伺いました。
主人公・えりこは自分との共通点が多く、自然に共感できた

――本作が映画単独初主演ですが、プレッシャーは感じていますか?
これまでドラマに出演する機会はありましたが、ソロになって初めて映画の主演のお話をいただき、嬉しく思いました。お話をいただいた時はプレッシャーを感じていませんでしたが、あとから「誰も観に来てくれなかったらどうしよう…」と、じわじわと映画主演に対するプレッシャーを感じました。
――ドラマの主演と映画の主演ではやはり大きく違いますか?
映画は映像が大きなスクリーンに転写されるのでアナログで見ている感覚と近いものがあると聞いたことがあります。映画館で映画を観ることは、それだけ特別で深い意味があると思っています。
また、映画の場合はドラマとは違い、お客様にわざわざ映画館に足を運んでいただくものです。自分のお芝居を大きなスクリーンで観てもらえ、思いを届けることができるということは私にとって挑戦でした。

――鈴木さんが演じたえりこは、学校で傷付いた過去があるのに教師という職業を選んだところに強さを感じました。役をどんな風に捉え、演じましたか?
えりこという女性は、あることによって心に傷を負った過去がありながらも、学校で働く教師を職業に選びました。教師になって傷つくことがありながらも、立ち向かっている姿は勇敢ですよね。えりこの役を演じるにあたって、教師役は初めてだったので教師として生きる日常のリサーチは必要でした。でも、えりこと鈴木愛理という人物がそう遠くはなく、共感できる部分が多かったのでそこまで苦労せずに役に溶け込むことができました。
――作品の中で印象に残っているセリフはありますか?
今回の作品はどのセリフも好きですが、「いい子がいい子じゃなくていい友達を作れたら」というセリフが印象的でした。作品の中で「いい子」というワードが出てくるのですが、いい子ってなんだろうと考えさせられました。
昔に比べると「いい子でいなくてもいい世の中」になってきているように感じますが、まだまだ無理をしている人もいると思います。そんな中、自分はいい子を演じなくても受け入れてくれている人たちに囲まれていることに気づきました。
理想の母親像は“私の母”

――『ただいまって言える場所』という作品タイトルにちなんで、鈴木さんが「ただいまって言える場所」に絶対欠かせない条件はありますか?
私は物理的なものよりも空気感を大事にしたいタイプなので、“ぬくもり”や“愛”が感じられる空間が欠かせない条件です。以前、私が仕事で留守にしているところに母が来てくれて、家族の似顔絵を描いたイラストや、「がんばれ」と書いたメモを残してくれました。ちょうどその時、仕事で行き詰まっていたので、母の些細な言葉やイラストだけで愛を感じ、それを見ながら号泣してしまいました。
――電話で声をかけられるのとはまた違う愛情を感じますね。
そうですね。ちょっとした気遣いで癒やされます。私は仕事が忙しくなってしまうと、気づかないうちに無理をして「私は大丈夫」と強い女を演じてしまうところがあります。そんな時に家族のちょっとしたメッセージや、作ってくれたおかずの味など、さりげないものに愛を感じます。そんなぬくもりを感じる空間が私の「ただいまって言える場所」ですね。
――今回の作品は「母親の存在」も大きなカギだと感じました。鈴木さんの思う理想の母親像はどんな姿ですか?
私は自分の母親が理想の姿です。そして、自分の家族も理想の家族です。理由を聞かれると難しいですが、母親の子どもへの無償の愛は想像しているよりももっと深いものだと思います。私の母も私たち子どものことを深い愛で包んでくれていますし、人の幸せを願える人です。そんな姿が本当にかっこいいので私も将来、私が今、母に感じているような感情を子どもに持ってもらえたら嬉しいですね。
ミュージカル『SIX』が縁でロンドンが大好きな街のひとつに

――ミュージカル『SIX』の公演のため、昨年の秋はロンドンに滞在されていましたね。オフの日はどんなことをして過ごしましたか?
ロンドンには約1か月滞在しましたが、オフの日が日曜日しかなかったので3回のオフをどう使うか悩みました。1回は共演者さんと自分が演じる方のゆかりの地を巡りました。残りの2回は、プライベートな時間としてマーケットに行ったり、カフェで過ごしたり、最近買ったばかりのカメラを片手に街を撮影したりしながらのんびり過ごしました。
――滞在中は食事に気を遣ったと思います。
公演中は基本、自炊をしていました。電子レンジで1合炊きができる調理器でお米を炊いて、近くのスーパーを開拓してお肉が安いお店をみつけ、サムゲタンは3回作りました。鶏肉が安かったのでチキンステーキも作りましたが、何日も部屋からチキンステーキのにおいがとれず大変でした(笑)。異国の地でも生活感あふれた日々を過ごしていましたね。

――外食もしましたか?
物価が高いのでそこまで外食はしませんでしたが、名物のフィッシュアンドチップスを食べに行ったり、お気に入りのステーキ屋さんに行ったりしました。イタリアンのお店で食べたムール貝も絶品でした。また食べに行きたいです。
――これからロンドンを旅行される方にオススメの場所を教えてください。
ロンドンの市内も魅力的ですが、郊外のほうまで足を運び散策する時間を作ることをオススメします。何気ない公園で過ごすロンドンもいいですよ。
また、イギリスと言えばマーケット。アンティーク好きなら眺めているだけでも楽しいですし、掘り出し物に出会えるかもしれません。時間帯や開催曜日に注意してぜひマーケット巡りを楽しんでほしいですね。
――次回の訪英で行きたいところはありますか?
行ってみたいところはたくさんありますが、世界の経度の基準となる本初子午線が通っていることで有名なグリニッジ天文台へ行って、子午線を見てみたいです。天文台のあるグリニッジ公園の中の丘からはロンドンの街並みが一望できるようなので、そこから景色も眺めたいです。
行けなかったマーケットもたくさんあるので、次は一日中マーケット巡りをする日も設けたいですね。
今の自分に自信があり、胸を張って歩いている人はキレイでかっこいい

――鈴木さんは映画やドラマそして舞台でも活躍されています。日々、忙しいかと思いますがどんな方法でリフレッシュをしていますか?
8歳からこの世界にいるからかもしれませんが、オンとオフの切り替えはとくに意識していないです。「仕事もプライベートもずっとこんな感じでやらしてもろて…」って感じですかね(笑)。強いて言えば、美味しいものを食べたり、散歩したり、思い切り寝たり、ストレッチしたり…“地に足をつけて生きること”がリフレッシュになっています。
――なるほど。普段の生活の延長線上にリフレッシュ法があるわけですね。
そうですね。また最近は、自宅を居心地よい空間にすることにこだわっているかな。好きな香りに包まれたり、キャンドルを炊いたり、ちょっとした家具や雑貨を新しく買ったり…。
――最近購入したもので「買ってよかったな」と思うものはありますか?
ロンドンの話に戻りますが、マーケットで買った陶器ですね。小さいものから大きいものまでついつい陶器を買ってしまうんです。唯一、我慢したものは“ドアノブ”(笑)。ヨーロッパらしいとってもかわいい柄があしらわれているドアノブをマーケットで見つけたんですが、日本のサイズと合わないかもしれないということで泣く泣く諦めました。
――他にも最近買って気に入っているものはありますか?
インテリアにもなるマッチです。これもロンドンで買いました。深い緑の瓶にマッチが入っていて、瓶の底をこすると点火します。飾っておくだけでもおしゃれでかわいいんですが、私は部屋でお香を炊くので、その時に使います。ライターじゃなくて、マッチで火を点けることも好きで最近のお気に入りです。
――好きなものに囲まれている生活は素敵ですね。
自分で一つひとつ丁寧に選んだものに囲まれている生活こそ、私にとって癒やしであり、リフレッシュになっているかもしれません。

――最後になります。媒体名にちなんで鈴木さんの考える“キレイな人”とはどんな人かを教えてください。
今の自分に自信を持っていて、胸を張って歩いている人はキレイでかっこいいなと思います。
――今の鈴木さんがまさにご自身の考える“キレイな人”のように思います。
日本で同じ生活をずっとしていると、気持ち的に猫背になってしまうなと感じていました。そこへロンドンでのお仕事が舞い込んできて、異国の地で生活をしました。向こうではみなさん、自分の好きなように生きていてキラキラしてる人がとても多かった印象です。そんな姿を目の当たりにして、私も心を強く、背筋を伸ばし、自信を持って生きていきたいなと感じました。

Profile
鈴木愛理
1994年生まれ、千葉県出身。8歳の時に、ハロー!プロジェクト・キッズに選ばれ、2005年6月にアイドルグループ「℃-ute(キュート)」のメンバーとしてデビューする。抜群の歌唱力と表現力で、2017年の解散まで第一線で活躍。グループ解散後は、ソロアーティストとしても活動し、近年は、活動の幅を広げ、2023年に放送された『推しが上司になりまして』(テレビ東京系)に出演。2025年には新たな世界線の『推しが上司になりまして フルスロットル』でも主演を務めたり、ミュージカルSIX日本キャスト版に出演するなど多岐に渡り活動している。
■映画『ただいまって言える場所』
2026年1月23日(金)公開
出演:鈴木愛理
川口真奈 伊藤歩 山中崇 六角慎司 吉田ウーロン太 高山璃子 桜まゆみ 酒井敏也 尾美としのり
大塚寧々
監督:塚本連平
脚本:伊藤彰汰
音楽:haruka Nakamura
主題歌:「ただいまの魔法」鈴木 愛理(UP-FRONT WORKS)
公式サイト:https://tadaima-movie.com/
X:https://x.com/tadaima_movie_
Instagram:https://www.instagram.com/tadaima_movie_/
ヘアメイク/髙橋綾
スタイリスト/稲葉有理奈(KIND)
撮影/渡会春加
取材・文/安田ナナ
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