SERIAL STORY

2021.11.30

【世界を旅するレシピ】7ヵ国目
おうちで手軽に再現できる韓国の味

世界各国のレシピを教わる連載の7カ国目は、韓国の家庭料理。お隣の国ということもあって日本人にも馴染みの深い料理ですが、いざおうちで作ってみても、なかなか本場の味にならないと困ったことはありませんか? そこで、今回は本格的な味を再現できるコツをしっかり教わりました。

ちょっとしたコツで驚くほど本場の味に!

朝鮮半島の南側に位置する大韓民国。東京からは飛行機で約2時間20分、福岡からは約1時間20分で到着し、都市部だけでなく地方都市からもアクセスできる身近な海外です。韓国といえば、美容先進国としても知られ、キレイノートでも数々のコスメをご紹介してきました。美容だけでなく、エンターテイメントも人気で、状況が落ち着いたら真っ先に旅したい国のひとつではないでしょうか。

その食文化はというと、日本人にも馴染み深いものばかり。キムチ、ビビンバ、チゲ、チャプチェ、チヂミ、トッポギなどなど、みなさんも1度は口にしたことがあるのではないでしょうか。今回は数ある韓国料理の中から、おうちで手軽に作れるのに本場の味を再現できるレシピを、ソウル出身のミンジョン先生に教わります。「日本と韓国の料理で一番違う点は、ニンニクの量だと思います」と、ミンジョン先生。キムチやスープには唐辛子がたくさん使われるイメージですが、ニンニクは料理全般に使われているのだそう。確かに教わったレシピ3品すべてにおろしニンニクが登場し、深い味わいのポイントになってくれています。

また、一般的にイメージする唐辛子は、汗をかくほどの刺激があるもの。今回使うコチュカルと呼ばれる唐辛子の粉末は辛味にいくつかの種類があるため、好みに合わせてマイルドなものを選べるのが特徴です。「唐辛子=辛いと思いがちですが、辛くない唐辛子もあります。実は、私は辛いものが得意ではなくて(笑)。私が作る韓国料理は、辛味が苦手な人も食べやすいはず。韓国食材店のコチュカルの棚には、辛いもの、辛くないものが表示してあるので、お好みで使用してくださいね」と話すミンジョン先生。ポイントをしっかりおさえて、おうちで本場の味に挑戦してみましょう。

スンドゥブとは韓国語で絹ごし豆腐のことで、定番の「スンドゥブチゲ」は、スープの深いコクに柔らかな豆腐がマッチしたスープのこと。真っ赤な見た目はとても辛そうだけれど、今回は辛味の少ないコチュカルを使っているから、苦手な人も食べやすいのも嬉しいポイント。具材を炒めるときの油や炒め方、韓国の調味料の「スープ用醤油」と「イワシエキス」を使うことで、豚肉とあさりのうまみが広がる本場の味を再現できます。

材料(2人分)

○ 豚ひき肉
100g
○ アサリ(砂抜きしたもの)
1カップ
○ 絹ごし豆腐
300~400g
○ 白ねぎ
1本
○ ズッキーニ
1/2本
○ 玉ねぎ
1個
○ えのき
1株
○ おろしニンニク
大さじ1/2
○ 砂糖
大さじ1/2
○ だし汁
800ml
(昆布、干しシイタケ、煮干しでだしをとる)
 
○ コチュカル(唐辛子の粉末)
大さじ2
○ 醤油
大さじ1と1/2
○ スープ用醤油
大さじ1と1/2
○ イワシエキス
大さじ1と1/2

HOW TO COOK

1 だし汁を作る

鍋に水を800ml入れ、昆布5㎝程度、干しシイタケ2個、頭と内臓を取った煮干しひと掴み程度(全て分量外)入れる。強火にかけ、沸騰したら火を弱めてグツグツと煮出す。

2 白ねぎを炒める

鍋にごま油とサラダ油各大さじ1(共に分量外)を入れ、みじん切りにした白ねぎを加えて焦げないように炒める。

ごま油は焦げやすいので、炒めもので使うときは同量のサラダ油を加えましょう。

3 コチュカルとひき肉を炒める

鍋の火を止め、コチュカルを加える。再び火をつけ、弱火で全体を軽く炒める。次に豚ひき肉を加え、中火で火が通るまで炒める。次に醤油、スープ用醤油、イワシエキス、おろしニンニク、砂糖を加えてなじませる。

コチュカルを一度焦がしてしまうと挽回はできません。唐辛子は焦げやすいため、慣れないうちは火を止めてから加えると失敗知らずですよ。

4 だし汁を入れる

1で煮出しただし汁をこしながら加え、ひと煮立ちさせる。

5 具材を加えて煮込む

沸騰したらアサリを加えて、貝に火を通す。玉ねぎは一度くし切りにしてから横半分に切り加える。次に絹ごし豆腐を加えて煮込む。

6 味を整えて卵を加える

玉ねぎに火が通ったら、えのきを割いて加え、最後に半月切りにしたズッキーニを加えて軽く煮立てる。味見をして、薄ければ塩(分量外)で味を整える。最後に卵を割り入れ、軽く煮立たせれば完成。

韓国料理は辛いというイメージですが、辛味が少ないコチュカルを使うことで、マイルドな味わいのスープになります。もしも辛味が欲しいければ、コチュ(生の青唐辛子)を加えて辛味付けを。

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日本のコーヒーショップ並みに、街中には専門店があるという韓国のソウルフード「キムパ」。韓国語では、キムは海苔、パはご飯の意味で、しっかりと味のついた甘辛い肉と野菜、食感もよく少し甘い韓国たくあんを入れて巻くのが一般的です。ミンジョンさんのレシピは、ご飯の量は少なめにして具はたっぷり! 大人も子どもも好きな味なので、ホームパーティーのひと品にしても喜ばれるはず。もちろん、お好みに合わせてご飯や具の材料はアレンジしてOK。

材料(約8本分)

○ 牛ひき肉(合い挽き肉でも可)
450g
○ にんじん
200g
○ ほうれん草
1束
○ 卵
3~4個
○ たくあん
適宜
 
 
■ ヤンニョム
 
○ 醤油
大さじ1と1/2
○ 砂糖
大さじ1
○ ごま油
大さじ1
○ おろしニンニク
大さじ1/2
○ こしょう
少々
 
 
○ ご飯
2合程度
○ 海苔
適宜

HOW TO COOK

1 にんじんの下準備

にんじんは皮を剥き、千切りにする。フライパンに油を敷き中火にかけ、にんじん、塩ひとつまみ(分量外)、こしょう少々(分量外)を加え、にんじんがしんなりするまで炒める。炒め終わったら器に出し、粗熱をとる。

2 ほうれん草の下準備

鍋に湯を沸騰させたら塩大さじ1(分量外)を入れる。最初にほうれん草の茎を入れて約30秒茹で、次に全体をさっと湯通しする。冷水に取ったらしっかりと水気を切り、茎の根本をカット。ボウルにほうれん草、ごま油小さじ1/2と塩1/2(共に分量外)を加えて混ぜ合わせる。

3 牛ひき肉を炒める

ボウルに牛ひき肉を入れ、そこにヤンニョムの材料を全て入れ、牛ひき肉全体に味を馴染ませるように混ぜる。フライパンを強火にかけ、牛ひき肉を加えて焦げないように注意しながら炒める。肉に火が通ったらザルにあげ、油を切る。

牛ひき肉から出た油をカットするひと手間がとても大切。巻いたときに油っぽくなりませんよ。

4 焼き卵を作る

卵をボウルに割り入れ、塩小さじ1/2(分量外)を加えてよく混ぜる。フライパンを弱火に熱して油を敷き、焦げないように注意しながら卵焼きを作る。卵焼きは粗熱をとり、縦に細長くカットする。

5 キムパを巻く準備

たくあんは水気を切っておく。ご飯をボウルにとり、塩小さじ1/2とごま油大さじ1(共に分量外)を回しかけ、全体に馴染むように混ぜ合わせる。海苔と1〜4の具材、巻き簾を用意する。

今回は韓国のたくわんを使用しました。韓国たくわんは細長くカットしてあり、食感もいいのでキムパにぴったり。韓国食材店で手に入りますが、もし入手できない場合は、日本のたくわんでもOK。おすすめは、細かくカットされたたくわんにごまがまぶしてあるもの。

6 キムパを巻いてカット

巻き簾に海苔を載せる。海苔の下部からご飯を広げ、上部は3㎝程度空ける。手前から、牛ひき肉、にんじん、ほうれん草、卵、たくわんを並べる。手前側の海苔を巻き簾ごと持ち上げ、具材を押さえながら奥に向かって巻いていく。巻き終わったら、巻き簾全体を軽く握って形を整え、巻き簾を外せば完成。2㎝幅に切って盛り付ける。

                        

巻き簾の間に具材が入り込むのを防ぐため、私は巻き簾にラップを敷いてから海苔を載せています。ご飯を海苔に広げるとき、上部の空けた部分にご飯粒を少量のせておくと、巻き上げたときに糊代わりになってくれますよ。

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韓国の家庭では、キムチ用の冷蔵庫が一般的なほど、食卓に必ず登場するキムチ。白菜やきゅうりなど、その具材もさまざまですが、今回は旬の大根で作れるカクテキに挑戦。日本の大根は韓国と比べると甘みが少なく水分が多いため、サイダーで甘みをプラス。また、乳酸菌飲料のヤクルトを加えることで、甘みだけでなく手軽に乳酸発酵も可能に。白菜キムチに比べると、大根とヤンニョムを混ぜ合わせるだけなので、キムチ初心者におすすめです。

材料(約1kg)

○ 大根
1.3~1.5kg
○ 玉ねぎ
1/2個
○ アミの塩辛
大さじ1
○ ご飯
大さじ2
○ 日本酒
大さじ2
■ ヤンニョム
 
○ コチュカル
大さじ6
○ おろしニンニク
大さじ1.5
○ おろし生姜
小さじ1
○ 砂糖
大さじ1
○ イワシエキス
大さじ2と1/2
○ ヤクルト
1/2
○ サイダー
適宜

HOW TO COOK

1 大根の下準備

大根は皮を剥き、食べやすい大きさにカットする。大きめのボウルに、塩大さじ1と1/2(今回は粗塩を使用)と水50ml(共に分量外)を入れて軽く混ぜ、カットした大根を入れて全体を混ぜ合わせる。1時間ほど置く。

2 材料をミキサーにかける

ミキサーに、玉ねぎ、アミの塩辛、ご飯、日本酒を入れ、全体がなめらかになるまで撹拌する。

3 大根とコチュカルを混ぜる

1の大根から出た水分をしっかりと切る。水気を切った大根をボウルに戻し、コチュカルを加えてしっかりと混ぜ合わせる。全体が混ざったら2をまわしかけ、さらにイワシエキス、砂糖、ニンニク、生姜を加えて全体に馴染ませるように混ぜる。

スンドゥブチゲ同様、辛みが少ないコチュカルを使用しています。私のレシピでは、粗挽きタイプと粉タイプを1:1の割合で混ぜています。

4 ヤクルトを加える

ヤクルト(乳酸菌飲料)を加え、さらに全体を混ぜ合わせる。

韓国でも手に入るヤクルト。乳酸菌飲料を加えることで手軽に乳酸発酵が促され、本格的な味わいに仕上がります。

5 サイダーで味を調整

サイダーを40ml程度加え、全体を混ぜ合わせる。加えすぎると水っぽく仕上がるので注意。

日本の大根はみずみずしいため、カクテキにした際に水気が多くなりがちに。サイダーを加える理由は甘みをプラスするためです。

6 3日〜1週間置く

写真のようにすべてが混ざるよう、しっかりと混ぜ合わせたら、密封袋や容器に入れて冷蔵庫で保存。3日後から1週間後が食べ頃。

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